数学 「人生は数式で考えるとうまくいく」B
               〜(能力+応援)×思考=チャンス〜
 NO.200 

2006.12.4作成

 今回も、「人生は数式で考えるとうまくいく」(大村あつし著)という本からです。もうひとつ、おもしろい数式が

あったので、その本の中から、また少し紹介したいと思います。


(能力+応援)×思考=チャンスである

 私は、モチベーションが高まったときこそが最高のチャンスであると思っていますが、ここでは、チャンスという
抽象的なものをよりわかりやすく実感するために、それを数式で考えてみることにしましょう。
 まず最初に、「能力」に着目します。この能力は、もって生まれた素質と、それにどれくらい磨きをかけたか、
要するに、「素質×能力」の演算結果といってもいいでしょう。ですから、素質がゼロでなければ、努力しだいで
能力は高まります。
 また、チャンスを広げる大きな要因の1つとして軽視できないのが「他人の応援」です。もし、あなたに無償の
応援をしてくれる友人がいるのであれば、これは何にも勝る財産です。自分1人の能力でも成功できないわけでは
ありませんが、他人の応援を味方につけられれば、成功の確率も高まりますし、何よりも、成功へのスピードが
加速します。
 この「応援」は、「協業」と置き換えてもいいかもしれません。よく知られた協業として私が真っ先に思い浮かぶ
のは、取引先の商標で販売される製品の受注生産、すなわちOEMです。商品開発力はあっても知名度がなく
販売力も乏しい会社が、自社の商品を強いブランド力をもつ取引先の商標で売り出す。こうして、自社の弱い部分
を他社に補完してもらう。これも1つの「応援」のあり方だと思います。
 要するに、自分の能力に、自分がもっていない能力を足し合わせれば、孤軍奮闘、1人でがんばるよりも
チャンスは大きく広がると考えられるのです。
 話はこれで終わりではありません。もう1つの要素が残っています。そして、この要素こそが、じつはすべてに
おいてもっとも重要だと思われます。
 ここまでは「能力+応援」について述べてきましたが、私は、この総和に「思考」を掛けたもの、それこそが
チャンスだと考えます。ですから、プラスに思考すればするほど、チャンスは比例して肥大化していきます。そして、
そのチャンスがある大きさを超えたときに願望は現実のものになる。私はそんな気がします。
 最近、プラス思考を否定する本が散見されますが、私はそうした主張には、2つの点でどうしても共感できま
せん。
 1つは、プラス思考は、その世界が実現しなかったときにフラストレーションを感じるから、最初からマイナス思考
のほうがいいと説いていることです。たしかに、マイナス思考ならフラストレーションは感じないでしょう。なぜなら、
「実現するはずがない」とあきらめている世界が実現するのですから、逆説的に解釈すれば、マイナス思考で
願った世界は100パーセント実現します。
 もっといえば、この世には「絶対に失敗しない方法」というのがあります。そらは、「何もしないこと」です。しかし、
「何もしないこと」こそが、じつは「最大の失敗」なのではないでしょうか。
 私は、「プラス思考の否定」は、この「最大の失敗」を推奨しているような感覚を覚えます。だから共感できない
のでしょう。きつい物言いで恐縮ですが、「マイナス思考のほうがいい」という意見は、チャレンジする権利をもって
この世に生を受けた者に対する冒とくとすら感じてしまいます。
 もう1つ気にかかるのは、チャンスも成功も、「能力+応援」で説明がつくと考えている点です。生意気をいうよう
ですが、私はどうしてもこの意見に賛同できません。たしかに、チャンスをつかんだ人、成功した人は、一定の能力
はもっています。また、素質もなく、努力をしようともしない人を心の底から応援できないように、能力がなければ
他人の応援は得られないでしょう。
 ですから、成功するために能力が不可欠なのは否定しません。また、それに他人の応援という後押しがあった
ほうがいいのも先に述べたとおりです。しかし、能力は必要条件であって、必要十分条件ではないと思います。
チャンスは、能力だけあればいいというものではなく、プラス思考なくして実現はあり得ないのではないでしょうか。
 ここで、みなさんに次のような想像をしていただきます。
 あなたの前には、幅十センチメートルの板があります。あなたはその上を歩くことはできますか?もちろんでき
ますね。誰でもたやすくできるはずです。では、なぜそれができるのか。それは、あなたがその上を歩くことを思考
するからです。このとき、あなたの思考はプラス思考になっています。だから、その板を渡れるのです。
 ところが、同じ板を百メートルの高さのビルの間に架けた場合はどうでしょう。誰もその板の上は歩けないで
しょう。理由は、その板を渡ることではなく、そこから落ちることを思考するからです。そして、このような思考で
無理やり渡ろうとしたら、100パーセント落下します。
 板の幅は同じく十センチメートルなのに、プラス思考でそれに挑むのと、マイナス思考でそれに挑むのでは、
まったく正反対の世界が実現してしまいます。 

 (能力+応援)×思考=チャンス

 この数式は、プラスに思考すればプラスの結果に、マイナスに思考すればマイナスの結果になることを教えて
くれています。
 期待も不安も、そのときの思考でいちばん大きな比重を占めていることが実現します。マイナス思考は、自分の
能力ばかりか、他人の応援をも否定し、すべてを水の泡としてしまう劇薬なのではないでしょうか。
 ちなみに、以前の私は、どちらかというと本は量産すればいいと考えていました。ですから、来るものは拒まず
で、出版社からの執筆依頼は基本的にすべてお受けしていました。
 しかし、最近になってこの数式に気づき、「プラス思考でその本に取り組めるかどうか」を考慮し、そのうえで執筆
をお受けするか、もしくはお断りするかの判断ができるようになりました。
 もっとも、それでもやはり執筆依頼をお断りするときには、何か自分が高慢になったような感覚に襲われて
ずいぶんと悩みますが、「マイナス思考で依頼をお受けするほうが、執筆をお断りするよりもずっと失礼なことだ。
それに、そんな気持ちで執筆された本を買ってしまう読者に申し訳ない」と思えるようになったのです。そのため
に、以前に比べると私の新刊の発売のペースは落ちています。
 このように、執筆するかしないかを見極めながら1冊1冊の本にプラス思考で取り組むほうが、本をやみくもに
量産するよりも、ベストセラーに恵まれる可能性が高まると信じている私ですが、印税の振り込み明細を見て、
「昨年より少し減ったな」と思ってしまうようでは、まだまだ修行が足りませんね。


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