| 数学 25万手スペシャル 〜先手必勝?初手は?〜 |
NO.21 |
99.1.2作成
「週刊将棋」の記事に、鈴木宏彦さんによる1998年度プロ将棋のデータ分析がされていました。
統計から将棋のどのようなことがわかるか、大変興味深いものです。
昨年の名人戦で騒がれたように、将棋は先手必勝なのか?
また初手はどう指すのがよいかが決まっているのか?
この2つの疑問に統計の数字がどう答えているか、見てみたいと思います。
☆5割2分の時代
| 昭和61年度 | 0.540 | 最高 |
| 昭和62年度 | 0.535 | |
| 昭和63年度 | 0.534 | |
| 平成元年度 | 0.540 | 最高 |
| 平成2年度 | 0.532 | |
| 平成3年度 | 0.528 | |
| 平成4年度 | 0.540 | 最高 |
| 平成5年度 | 0.522 | |
| 平成6年度 | 0.517 | |
| 平成7年度 | 0.528 | |
| 平成8年度 | 0.527 | |
| 平成9年度 | 0.521 |
上は過去12年間の先手勝率の推移である。先手勝率0.540は過去26年間の統計では最も高い数字なのだが、昭和61年以降の7年間にそのピークが実に3回も記録されている。先手勝率5割4分なら後手勝率は4割6分。その差8分。ミクロの有利を追求するプロ将棋においてはほとんど絶対的ともいえる大差である。
だが、平成5年度に入ってその勝率は突然0.522まで落ち、その後先手勝率は5割2分前後で安定することになる。元々「プロ将棋の先手勝率は5割2分前後」というのが定説だったから、ようやく本来の姿に戻ったといえるかもしれない。
ただ、それにしても、将棋が先手有利のゲームであることは変わりのない事実だ。
☆初手▲2六歩の衰退
| 年度 | 先手勝率 | 76採用率 | 76勝率 | 26採用率 | 26勝率 |
| 6年度 | 0.517 | 79.2% | 0.525 | 20.4% | 0.486 |
| 7年度 | 0.528 | 80.0% | 0.533 | 19.6% | 0.508 |
| 8年度 | 0.527 | 80.5% | 0.525 | 19.2% | 0.536 |
| 9年度 | 0.521 | 84.0% | 0.532 | 15.1% | 0.461 |
表は過去4年間の全対局における初手▲7六歩及び初手▲2六歩の採用率と勝率の変遷である。将棋の初手といえば▲7六歩か▲2六歩。これは将棋の歴史始まって以来の常識だ。だが、初手の勝率は微妙に違う。
過去4年間、初手▲7六歩の勝率は0.525から0.533の間で安定している。高値安定といっていい。
一方、初手▲2六歩の勝率は0.461から0.536までかなり幅広い。
最も注目すべきは、平成6年度〜平成8年度の3年間、20%前後で安定していた初手▲2六歩の採用率が平成9年度は約15%に激減したことだ。
平成9年度の初手▲2六歩はその採用率、勝率ともに過去4年間の最低を記録した。この傾向が今後も続くようだと、やがて「将棋の初手は▲7六歩が常識」ということになるかもしれない。