数学 詰将棋の価値 
 〜「詰将棋教室」(村山隆治著)より〜
 NO.24 

99.4.12作成

 詰将棋の価値とは?はっきりと定義するのは相当難しいと思います。

ところが村山隆治さんが書かれた「詰将棋教室」には理論的に述べられていました。

大変興味深い内容でしたので、まとめたものを紹介させていただきます。


詰将棋の価値の定義: 

 「詰将棋の、必要にして十分なる条件を満たすための、最低の詰手数」をいう。

すなわち、V=Q/C (価値=品質/詰手数)

 

詰将棋における機能分析を表1・表2に示しました。

〔表1〕 捨て駒手筋の機能評価指数表

 

 

捨て駒の手筋分類表

P:捨て駒方の駒

R:取り駒方の駒

機能評価指数

詰方の捨て駒
(常に王手)

玉方の捨て駒
(常に合駒)

持駒

盤駒

持駒

盤駒

大駒

小駒

大駒

小駒

大駒

小駒

大駒

小駒

捨て駒の原位置にPを打ちたい
場合

   

       

捨て駒の原位置にPを移動させ
たい場合

   

   

10

捨て駒の原位置と同一筋にP
(歩に限る)を打ちたい場合
―2歩の詰将棋―

     

     

ある場所への捨て駒の効きを
消したい場合

   

   

10

ある場所へPを効かせたい場合

   

ある場所へRを効かせたい場合(捨て駒移動)

   

   

10

Pを取り駒の原位置に打ちたい
場合

       

R(玉に限る)を取り駒の原位
置に移動させたい場合

       

ある場所への取り駒の効きを消したい場合

ある場所へRを効かせたい場合(取駒移動)

10

10

10

Rを焦点に打たせないようにす
る場合

         

 

11

Rを焦点に移動させないように
する場合

   

10

   

12

ある場所へ取り駒を効かせたい場合

 

 

 

 

13

ある場所へのRの効きを消した
い場合

10

10

14

ある場所へのPの効きを消した
い場合

       

15

玉の吊出しを目的とする場合

       

16

究極において取り駒を取ること
を目的とする場合

       

(採点内訳) 大駒 10点 8点 6点  小駒 5点 4点 3点

 

〔表2〕 その他の手筋の機能評価指数表

 

 

その他の手筋分類表

機能評価指数

詰 方

玉 方

持駒

盤駒

持駒

盤駒

大駒

小駒

大駒

小駒

大駒

小駒

大駒

小駒

歩詰を回避する不成の手筋

   

10

       

歩詰を誘致する不成の手筋

           

10

両王手の手筋

   

10

       

明き王手の手筋

   

       

合駒の種類を限定させる手筋

       

離し駒の打場所を限定する手筋

           

同一駒を連続に活用する手筋

10

10

       

感覚の盲点をねらう手筋

10

10

       

邪魔駒を間接的に消滅させる
手筋

10

           

10

同駒の打ち替えの手筋

10

           

11

異駒の打ち替えの手筋

10

           

12

玉の逃げを封鎖する銀の不成の
手筋

     

       

13

異駒による複合の手筋

10

10

       

14

呼び戻しの手筋

10

           

15

守備駒の効力変更の手筋

10

           

(注) 常識的に必然な着手および応手は、それぞれ1点とする。

 


 実際の作品について計算してみましょう。

    

例1

詰手順

該当機能

例2

詰手順

該当機能
▲1五歩 表1・6

▲4一飛 表1・15
表2・6


△同金  −

△2二玉  −

▲2四金 表1・11

▲3三角 表1・15

△同歩  −

△同玉  −

▲1三飛 表1・11

▲3二飛 表1・15

△同香  −

△同玉  −

▲2三銀不成  −

▲4二飛成  −

合計

19

合計

30

V=Q/C=19/7=2.71

V=Q/C=30/7=4.28

例2は大駒ばかりの捨て駒なので価値指数は大分高くなっています。


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