今日の神奈川新聞に、北相地区予選の団体戦・シングルス・ダブルスの結果が載りました。やはり新聞に名前が載るのは気持ちがいいですね。
さあ、いよいよ県大会。力を出し切って、いい試合をしてほしいと思います。
〜4/19付.神奈川新聞より(略)〜
4月13日(金)の一斉部会で1年生が入部し、部員が確定しました。3学年が揃う今は、卓球場に入りきれないほどの人数で、嬉しい悲鳴です。先日の北相地区予選でも男子シングルスに22名出場し、人数では北相地区トップでした。顧問の先生も諏訪先生が加わり3名となり、充実した卓球部になってきました。
素振りの思い出
「未来」へ向けた1つの決意として、僕は素振りを欠かしませんでした。これは努力すればできることです。試合に勝った日も、ホームランを打った日も、大敗した日も、ヒット1本打てなかった日も、必ず素振りをしてきました。
打った日は、自分を誇らしく思います。しかし、その気持ちは一歩間違えると慢心に結び付いてしまいます。逆に打てなかった日は、落ち込んでしまいます。そうすると、一歩間違えれば気持ちが腐ってしまいます。
そのどちらも「未来」へプラスにはなりません。そこで僕は、素振りをしながらリセットするのです。バットが風を切る音が聞こえます。うまく文字にできませんが「ピッ、ピッ」と鋭い音が聞こえると安心します。
ときには「ボワッ」と鈍い音がしてしまう日もあります。自分の感覚はごまかせません。周囲に人は、ヒットという結果が出ていれば、「松井は好調」と評します。しかし、ヒットが出ていても調子が下降している時はあります。どんな状態であれ、自分の感覚と会話しています。松井秀喜というバッターを評価するとき、自分が一番厳しい評論家であるべきだと思っています。
素振りには思い出がたくさんあります。中学時代、試合に負けて家に帰りました。とても悔しくて、家族と話していたら泣いてしまいそうでした。涙を見られたくないので自分の部屋にこもって、しばらく泣いていました。そのとき思ったんです。
「もう負けたくない」。ならば何をするか。考える必要はありません。練習するしかありません。明日から、また厳しい練習を頑張ろう。「もう負けたくない」。いや、明日からではなく今からだ。てもたってもいられず、部屋の中で泣きながらバットを振りました。
もしかするとそのとき、一晩寝てしまったら、悔しさを忘れてしまったかもしれません。しかし、泣きながらバットを振った思いは、そう簡単に消えてなくなりません。
失敗を悔やんでも仕方ないという話と、矛盾を感じる人がいるかもしれません。しかし、失敗と付き合うことは「あきらめる」ことではありません。すぐに忘れてしまう、あるいは達観することでもありません。
悔しさは「過去」ではなく「未来」へぶつけるのです。僕にとっては、それが素振りです。
長嶋茂雄さんとも、何度も素振りを繰り返しました。ちょっと調子が悪いとき、いや調子がよいときでも、ベッドで寝ていると長嶋さんからの電話がかかってきました。
「おい松井、バット持ってこいよ」。慌てて着替えて、バットを持って自宅を飛び出したことが何度もあります。時には長嶋さんの自宅で、時にはホテルで、2人だけの特訓が繰り返されました。
長嶋さんはスイングの音をチェックします。それしか気にしていないと言ってもいいぐらいです。眼をつぶって、僕が振るバットの音だけを聞いていました。「いまの球は内角だな」「うん?外角低めだったか」など、長嶋さんにしかわからない感覚をお持ちでした。前の日にホームランを打ったとか、凡退しているといった結果は関係ありません。鈍い音がすると叱責され、休む間もなくスイングを繰り返しました。
ベテランの新聞記者に聞いた話です。
僕が大好きだった掛布選手が、スランプに悩んでいるとき「どうしたらいいか」と長嶋さんに相談の電話をかけたところ、「そこでバットを振ってみろ」と言われたそうです。そして長嶋さんは、電話越しに掛布さんのスイングの音を聞いた。本当かどうか分からない話ですが、何となく本当のような気がします。それぐらい、長嶋さんはスイングの音を大切にしていました。
今日打てたからと言って、明日も打てるとは限らない。逆に、今日打てなかったからといって、明日もダメと決めつける必要はありません。今日をリセットして明日に向かう。そのために素振りは欠かせません。精神安定剤のようなものかもしれません。
ほんの些細なことでもいい。「未来」へ向かう決意を、何か行動にしてみたらどうでしょう。僕の素振りだって、野球では基礎の基礎です。しかし、それを毎日欠かさず続けていくことが、いつかきっと、自分を高めてくれると信じてきました。
〜「不動心」(松井秀喜著)より〜
左手首の骨折という大きな試練を乗り越えた松井選手、私たちに勇気を与えてくれますね。努力できることが才能です。どんなことがあっても毎日欠かさずに努力し続けることが、その分野で一流になる秘訣だと思っています。