厚木西高校卓球部通信 No. 315 2007. 5. 2

関東大会県予選団体戦 4/28(土) 男:県立体育センター、女:平沼記念体育館

 北相地区予選を勝ち上がり、いよいよ県大会です。まずは、関東予選の団体戦からです。当日の朝に抽選して、相手が決まりました。

男子団体戦
 1回戦
      厚木西         2対3      平塚商
   1   藤本    × 0(-9,-6,-7   )3 ○  大沼
   2   澁谷    ○ 3(-11,6,-11,9, 3)2 ×  加藤
   3W 澁谷・勝木  × 1(-6,-7, 9,-4  )3 ○ 大沼・與羽
   4   勝木    ○ 3( 7,-7,5,-11,15)2 ×  浪崎
   5   大友    × 0(-10,-6,-5   )3 ○  與羽

 男子は、桐光学園の山で、1回戦の相手は平塚商業。練習試合では、両校とも分がいい相手でしたが…。勝負はわからないもの。平塚商業のねばっこい卓球にいつもの力が発揮できませんでした。無念の敗退。

女子団体戦
 1回戦
      厚木西         3対0      三浦
   1   二梃木   ○ 3( 6,-9, 5, 5  )1 ×
   2   竹内    ○ 3( 7,10, 4   )0 ×
   3W 二梃木・赤木 ○ 3( 9, 6,-8,-9, 7)2 ×
   4   赤木
   5   三浦

 2回戦
      厚木西         0対3      横浜創英
   1   二梃木   × 0(-9,-6,-8   )3 ○  田辺
   2   竹内    × 1(-6, 8,-6,-5  )3 ○  堺
   3W 二梃木・赤木 × 2( 9,6,-10,-7,-7)3 ○ 吉田・二瓶
   4   赤木                   吉田
   5   三浦                   二瓶

 1年生2人を加え、勝野先生の引率で、女子も団体戦に出場しました。1回戦の相手の三浦を破り、横浜創英ともいい勝負ができたようです。次回の団体戦が楽しみですね。

大輔が泣いた日

 僕はたった一度だけ、大輔が号泣する姿を見たことがある。
 そして、その悔し涙こそが、今の松坂大輔を誕生させたと言える。
 1997年7月29日、夏の神奈川県予選で、横浜高校は準決勝を戦っていた。対戦相手は、因縁のライバル・横浜商業高校。春夏連覇を狙った、甲子園行きの切符をかけた一戦だった。
 この試合、横浜高校は先攻で、9回表まで2対1とリード。
 最終回の攻撃を抑えれば、決勝進出である。
 ところが、勝ちを意識しすぎたのか、大輔が突然崩れ、連打を浴びて同点とされると、尚もランナー1、3塁。一発逆転、サヨナラのピンチである。
 9番の左打者に対する初球。大輔がセットポジションから投球モーションに入ると、3塁ランナーがスタートを切った。「スクイズだっ!」
 誰かがそう叫ぶが早いか、打者がバットを寝かせた。
 スクイズを警戒するあまり、ウエストボールを大暴投。キャッチャーの小山があわてて拾いにいくが、間に合わない。
 3塁ランナーがホームを駆け抜けた。まさかの、暴投による逆転サヨナラ負け。
 僕は一瞬、何が起こったのか理解できず、呆然となっていた。
 勝てると思っていた試合が、次の瞬間、ひっくり返された悪夢。いや、大輔が勝ち試合を勝手にひっくり返した…そう言われても仕方ない。
 一度負ければ明日がない、厳しい甲子園への道。戦力が整い、甲子園での優勝も狙えると言われていたチームの予選敗退という悪夢。
 敗戦は、「これで1997年の夏がすべて終わった」ことを意味した。予選でのこのような負け方は僕にとっても初めてで、最悪の幕切れだった。
 もっとも、試合後冷静に考えれば、大輔の暴投は理解できないこともない。
 大輔はおそらく、3塁ランナーがスタートを切った瞬間にスクイズを悟り、とっさにボールを外したのだろう。
 しかし、捕手はそれを即座には予想できなかった。それに、大輔の投球はウエストボールにしては外れすぎていたため、捕手は対応しきれずに大暴投になったのだ。大輔の天才的な野球センスが災いしたと言えなくもない。
 「渡辺、負けたのはおまえのせいだ!」
 ショックだった。これほどの罵声を浴びるのは、それまで30年間監督をやってきて初めての経験だった。「辞任しよう」
 だが、すぐに思い直した。僕のことなどどうでもいい。可哀想なのは、大輔もそうだが、何よりその年の3年生である。彼らにとって、高校生活最後の夏の大会だった。
 甲子園への出場、甲子園の制覇だけを夢見て、3年間歯を食いしばり、激しい練習にも耐えてきた。それが、2年生投手の暴投という信じられない劇的なミスであっけなく幕を閉じたのだ。敗者復活戦など望むべくもない高校野球の純粋性と残酷さに、ただただ、言葉を失っていた。
 そのとき、僕の目に、ベンチで泣き崩れている大輔の姿が映った。
 もしあのとき、「松坂、松坂」と周囲から同情され、慰められることで満足していたら、今の松坂大輔はなかったであろう。あのときの言いしれない無念、悔しさに歯を食いしばって耐え、試練を乗り越え、立ち上がったからこそ、今があるのだ。

〜「ひたむきに 松坂大輔、超一流への道」(渡辺元智監督著)より〜