| 卓球 「伊藤繁雄(元世界チャンピオン)講習会」 | NO.3 |
98.1.14作成
◆ 96.11.24 愛川東中
平成3年、幕張でおこなわれた世界卓球選手権に向けて、全日本の最終合宿を 愛川町の第1公園体育館でおこなった。当時、全日本監督だった伊藤繁雄さんが 今回、愛川町スポーツイベントの一環で講演会及び卓球講習会の講師として来てくれた。 以下、主な内容をメモ書きで紹介する。
★ 講師紹介 : 伊藤繁雄
1945年(昭和20年)生まれ
昭和44年 第30回世界ミュンヘン大会
個人・団体チャンピオン
現在 専修大学監督 相原に住んでいる
*** 第1部 講演「世界の卓球事情」 ***
・
いいものを取り入れ、悪いものを排除する姿勢で。精神面の強化を。
・
オリンピックに参加することになってから卓球界が変わった。
国が強化し、1回戦からギリギリの勝負。
強い国の選手は、みなプロとして生活している。
スウェーデンでは中学校までは義務教育、以降はプロとして取り組む。
・ 38方式で日本で一流になれる。
(8時間睡眠、8時間勉強、8時間練習)
世界一は8時間睡眠、16時間卓球に費やす。
・
生活がかかっていれば、当然、競り合いに強い。
・ 日本でも実業団は良くなってきている。
松下プロ、小山ちれ、グランプリの契約選手など
高校までのレベルは低くないが、大学が休憩。
・
中国の選手が、日本やその他の国の契約選手に。
中国は若手起用の方針なので
・ 国内の実状
強い小学生は中学に、強い中学生は高校に選手が引き抜かれている。
・
卓球が今、見直されている。体力・年齢に応じてできる。
目をよく使う、頭をよく使う、指先や足をよく使う。
→
感情がみがかれる。記憶力、推理力、判断力が良くなる。
→
一生懸命卓球をやると、交通事故に会わない。学校の成績が良くなる?
・
卓球レポートなどの本やビデオを自分の卓球のプラスに。
・
自分がそういうふうになりたいと思った時に、なったに近い。
囲碁や将棋で初段になるには、その人が初段になると決心して取り組み出したら、初段になれる。
・ 自分に弁解を作らない。
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自分は「絶対に一流になる」という心の姿勢。
・ 自分を変える方程式
| 心 が変われば、態度が変わる。 態度が変われば、行動が変わる。 行動が変われば、習慣が変わる。 習慣が変われば、人格が変わる。 人格が変われば、運命が変わる。 運命が変われば、人生が変わる。 |
*** 第2部 模範試合 ***
最初3台で、伊藤さん、専修大学の工藤、山口選手が中高生を相手に1セットの試合をした。
愛川高校からは代表で3年の鳥井が伊藤さんと対戦。
さすがに、元世界チャンピオンだけあって、50歳を越えた人とは思えない動きで、なんと21対1で押さえられてしまった。
他の台でも1点を取るのが大変で、皆1ケタだった。
次に、工藤(右ペン)・山口(右シェイク)両選手の3セットの試合。
驚くほどではなかったものの、中高生には上のレベルの試合を見れたことで参考になっただろう。
・6つの練習
(1)球打ち練習 (2)見取り練習
(3)聞き取り練習 (4)読み取り練習
(5)書き取り練習 (6)イメージ練習
・試合に勝てる5ヶ条
(1)威力あるボールを打てる
スマッシュ、打球点を速く、体の使い方、スピード、回転、コース
(2)ブロック
守り、ショート、合わせ打ち
(3)いいサーブを持つ
サーブ練習は1人でもできる
サーブだけは!という自信
思った所へ思ったように出せる
(4)レシーブ
ミスすると自分のリズムが狂う
(5)フットワーク
動き
・目的を持って練習
*** 第3部 講習会 ***
・ラバーは複雑、頭がいる
いろんな対戦相手、いろんな戦型に対応
・自分なりの戦型を
用具、いいグリップに早くめぐり会う
・ペンホルダー
大きめに作ってあるので4ヶ所削る
重さ115〜125g
・シェイク
小指、薬指へ意識
重さ160〜170g
・切りかえは打ちやすいグリップに変える
・目をつぶって手を上下に振る
肩→ひじ→手首→手のひら→指→指先の順に
神経を刺激する
指先の重さを意識して振る
体の末端を意識してしなるように使う
・裸足になって足の指だけを使って動く
リズムは足の親指の付け根でとる
・目の訓練…動体視力
すれ違った車のナンバーを見る
予測→目で見て判断→すばやく動く
・ラバーの交換は2週間から3ヶ月位
・いつも創意工夫をする、待っている間も
・敵は3つ
(1)時間 (2)相手 (3)自分
・フォアハンドは自分のリズムで
サーブに入る時もレシーブに入る時も自分流のリズムがある
・呼吸法
打つ時はいて戻る時吸う、息を吐きながら打つ
(1)リズムが良くなる (2)打球点が安定
(3)フォームが良くなる (4)体の使い方が良くなる
(5)体全体に躍動感 (6)もっと楽しくできる
(7)もっと集中してできる (8)自分の生きたボールでもっと打てる
(9)基本のレベルが上がる (10)頭が良くなる、判断力
・もっと強そうにする、強そうな雰囲気
見た感じ、基本姿勢でわかる
格好だけでも一流の雰囲気を作る
・一流選手になる条件
(1)そのものが好きである
(2)目標を持っている
(3)努力する素質がある
(4)一生懸命やればやるほど壁にぶつかるから、プラス思考で
(5)素直で実行できる
(6)自分自身を信じれる人
「自分はできる」と朝昼晩唱える
・フォアハンド
スタンスは肩幅より広く
左足は打つ方向
腰を回して打つ
打球点をおへそで見る感じ
バックスイングの取り方
フリーハンドを使う
・自分のボールにして打つ
合わせるだけではダメ
時には下がって打つ練習も
・強いボールには下半身をためといてぐいっと持っていく感じ
・卓球には他のスポーツの要素もすべて入っている
例えば野球のバッティングの要素も
・動体視力
相手を見ながらボールを打ち、ボールを見ながら相手を感じることができる
相手の心理を読む
・いつバックやフォアへ来ても大丈夫なようにリズムをとる
全面を使った練習(オールサイド)
・切りかえの練習
・サーブ、レシーブ
音も違うので、目で耳で判断
同じモーションで同じコースに違ったサーブを出す
振りの速さはスマッシュ時の速さで
投げ上げ、しゃがみ込みも
時にはミドルから出す
逆モーション、立ち方や体の向きを工夫
速くモーションしてゆっくり、ゆっくりモーションして速くなど
フォロースルーでごまかす
サーブの時のラケットの面を左手などで隠す
・続ける→強く受ける→動いて受ける
・その日の試合の復習をして明日の練習に生かす
集中力、創意工夫
・積み重ねが大切、毎日コツコツやること
・身近な目標を立てる
・みんなの前でやる練習と隠れてやる練習の両方をやる
・プラス思考で
・やればできる、自分を信じる、自己暗示をかける
*** 反省会にて ***
・スランプとか壁にぶつかるとか悩むのは、一生懸命やったものしかならない
スランプは成功まであと1歩の所
・基本はすべて同じ、応用の部分で個性が出る
基本の部分では個性とは言わず自己流
・16対19、13対17で逆転が多いのは精神状態からである
勝ったと思う時が一番危ない
ひらきなおり
強い選手と対戦する時は目標を15点とか10点とか立てて
取れたら勝ちと思え
思いきりひらきなおってぶつかってきた相手は怖い。
色気があった者はたいがい負ける
・次の世界選手権の決勝で負けた時、今まで1度の負けたことのない相手
ラッキーと油断すると危ない
相手はひらきなおって思いきりぶつかってくる
・世界チャンピオンとはいえ、弱気になることがあるのは同じ
そんな時ボールに向かって会話する
自己暗示をかける
・勝つのは偶然も奇跡もあるが、負けるのは偶然でも運が悪いのでもない
負けるには必ず原因があるものだ
・現在も食事に気をつけ、1800カロリーとる
1度決心したら必ずやり遂げる
*** 終わりに ***
将棋のプロでも4段以上なら技術面での差は紙一重の場合が多い。
なのに勝者になるのは、何かが違うのだろう。
今回の卓球の世界チャンピオンにお会いする機会を得て話を伺っている内に、一流になる条件は何なのかを改めて考えさせられた。
とかく講習会というと技術面オンリーになる所だが、伊藤さんの人生論が我々の心に深く残った。
さあ、技術は世界チャンピオンには及ばなくても、心の姿勢は一流になるよう頑張っていきたいものだ。