| 卓球 「アスリート・コーチングBOOK」A 〜コーチング(4)〜 |
NO.143 |
2005.12.9作成
今回も、「アスリート・コーチングBOOK」(高畑好秀著)というコーチングの本からです。前回は、
卓球の西村卓二さんのことを紹介しましたが、他にも様々な競技を代表する指導者が紹介されています。
| サッカー | 岡田武史 | 選手の目にいきいきとした輝きを与えていきたい |
| 野球 | 大野 豊 | 負けられない戦いの中で得た財産を糧に… |
| バレーボール | 柳本晶一 | 絶対になんとかなる。そう思えば、下手では終わらない |
| シンクロナイズドスイミング | 井村雅代 | 1つできたら、次の1つ。スポーツに完璧はないから、前進する |
| ソフトボール | 宇津木妙子 | どこへ行っても力が発揮できる選手になってほしい |
| バスケットボール | 鈴木貴美一 | 当たり前のことが自然にプレーできる選手を育てたい |
| アメリカンフットボール | 水野彌一 | 常に命題を持ち、生きているいるかがとても大切 |
| ラグビー | 山口良治 | 悔しさを知らぬ勝者。失敗を知らぬ名選手は…いない |
| 柔道 | 古賀稔彦 | 柔軟な考えがもてる選手を育てていきたい |
| 体操 | 城間 晃 | 世界で闘える美しい体操を求めて、基本を大切に |
| 陸上/マラソン | 鈴木秀夫 | 与えられるより挑戦していくランナーでありたい |
| 水泳 | 鈴木陽二 | 日本の水泳は技術が最高でなければ、世界で勝負できない |
| 陸上/短距離 | 高野 進 | 経験と感覚、科学と情報、フィードバックの3つで走りを創造したい |
その中から、体操の城間 晃さんのことを、一部、紹介したいと思います。
体操 城間 晃
さぼったら、あかん。練習は人一倍やらな、あかん。それがうまく合ったとき、20連覇という偉業が達成された。
世界で闘える美しい体操を求め、基本を大切に
できないからと言って、選手を怒ることはしない。たとえうまい子だろうと、ダラダラしていたら強く叱ります。
どうやったら勝てるのか?清風の体操を、20年間考え続けて
同じ4人でやった清風中学の全国大会3連覇
手作りあん馬で勝ち取った全種目制覇
今でもボロボロになったあん馬を皮を張替えながら使っています
いつかは行けるから行けるに変わった
西川は不思議な子。自分の感覚で高度な技を次々とクリアしていく
世界で闘うからこそ、基本を大切にする
100人子どもがいれば、個性も100通りある
8人がオリンピックに行けたのは、行きたいという強い気持ちがあったから…
8人の選手がオリンピックに行けた理由
城間 晃に学ぶ理想のコーチ像 分析/高畑好秀
トップダウン思考で物事を考える
自分の周りにあるものを最大限活用するボトムアップ思考
選手もそうですが、最近ではコーチまでもが「〜がないからできない」「現実的にとても無理」という言葉を口に
するケースが増えてきています。そのように最初から心の中に限界を作ってしまっては、できることは限られて
きます。このような思考方法をボトムアップ思考と言います。
このボトムアップ思考は、今自分の周りにある知識、お金、道具、環境などの範囲の中だけで、今の自分には
それらを活用して、何をしていけるだろうと考えれば考える程、どんどん可能性は狭められていき、最終的に自分
はこれをやりたいのではなく、これならできるという結論に落ち着きます。
現実から積み上げていく思考です。
イメージの世界で未来図を仮想体験するトップダウン思考
これに対してトップダウン思考というのは、最初に自分はこんな事をしてみたいとイメージの世界で自由に思考を
遊ばせるのです。現実には目に向けず、空想するのです。そうしていく間に、イメージの中で様々な未来図を
仮想体験しているのです。その中で絶対に実現してやるぞと、1番強く感じられた事を、実現化させるためには
どうすればいいのかを掘り下げていく思考こそが、トップダウン思考なのです。トップダウン思考の過程が「実現
するためにはどうすれば良いのか」という前向きな心の疑問なのに対して、ボトムアップ思考は「現実にできるか、
いや、できないだろう」という後ろ向きな心の疑問なのです。
これは単に予算の中で用具をどうするといった問題にとどまらず、選手に対してもコーチのこの思考は大きく
影響します。「この選手の能力や持っている技術だったら、ベスト8が現実的なところだ」と考えるのか、「優勝
させるためには、能力や技術の足りなさをどのような練習で補っていけば良いのか」と考えるのかでは、大きな
違いがあるのです。トップダウン思考のコーチは、用具作り、練習メニュー作りにも豊富なアイデアを生み出し
ます。それはスタートが現実ではなくイメージと言う自由な世界だからなのです。型に縛られない自由な発想こそ
が、何よりもアイデアが生まれる原点なのです。
ボトムアップ思考とトップダウン思考
ボトムアップ思考 トップダウン思考
現実に身の回りにある事は できる可能性は大きく
雑然としていて、 現実にやるべき事はシンプルに
できる可能性は小さく絞り込まれていく 絞り込まれる