卓球 「勝ちにいくスポーツ心理学」B
                〜メンタルトレーニング(8)〜
 NO.166 

2006.3.16作成

 前回の続きで、「勝ちにいくスポーツ心理学」(高畑好秀著、山海堂)という本からです。

心を強く鍛えるための15の[理論]と[実践法]の中から、今回は、N 攻めの心理 から、興味あった部分を少し

紹介したいと思います。


理論編 15 攻めの心理

 攻めの心理と守りの心理のバランスを考える

 スポーツには「攻めの心理」と「守りの心理」があります。といっても、攻撃のときが攻めの心理で、守備のときが
守りの心理ということではありません。攻撃のときでも守りの心理になることもあれば、守備のときでも攻めの心理
になることもあるのです。
 攻めの心理とは、自分のもっている力を100パーセント発揮することに意識を置いた積極的な心理です。勝敗や
ミスを考えず、ある意味で開き直った状態のときに生まれます。
 逆に守りの心理とは、勝敗やミスしないことに意識を置いた消極的な心理といえるでしょう。
 一般に、試合の流れのなかで、自分が相手を追っているときや相手に追いついたときには、攻めの心理になり
やすいものです。しかし、勝ちが見えて、自分が追われる立場になったときには、突然守りの心理になってしまい
がちです。
 また、生来の性格として、攻めの心理をもちやすいタイプと守りの心理をもちやすいタイプがいますが、かりに
攻めの心理のタイプであっても、いざ勝利が目前になると、守りの心理に傾いてしまったりするものです。
 この守りの心理は、じつはスポーツではマイナスに作用することが多いのです。たとえば、勝利を意識する
あまり、「ここでプレーにミスがでると負けてしまう」という思考が生じたとすると、人は「ここではミスのないプレーを
しよう」という考えに陥ります。
 すると、攻めの心理のときには一歩踏み込めたプレーが、逆に一歩後退してしまうプレーになってしまうのです。
また、攻めの心理のときには勢いのある大きなプレーができていたのに、それが弱々しい小じんまりとしたプレー
になったりもします。慎重にプレーをするつもりが、逆にミスする可能性を高めているわけです。
 ただし、過度に攻めの心理が強すぎるのもよくありません。ここはどう考えても無理すべきではないという状況
で、「一か八かやってみよう」という無理なプレーに踏み切ってしまう危険性があるのです。これは「自分はもっと
できるだろう」という過度な攻めの心理から生まれた「欲の心理」が根底にあるのです。
 攻めの心理と、欲の心理の違いを少し説明します。攻めの心理は、自分がもっている力の範囲を冷静に受け
止めたうえで、もてる力をすべて出し切ろうという心理です。一方、欲の心理は、もっている力を知りつつも、抑制を
きかせられず「もっと、もっと」と突き進んでしまう心理をいいます。
 以上のことから、試合時の最適な心理状態を総合的に考えると、攻めの心理が7割、守りの心理が3割くらいに
ミックスされた心理がベストであると私は考えます。
 このバランスを試合中に保ち続けるためにも、つねに自分が今、どういった心理状態にあるのか分析しておく
ことが必要です。

実践編 15 攻めの心理

 勝利への指針
   勝利を意識してしまうと、心はどうしても守りに傾いてしまう。守りの心理は、体の動きをも微妙に狂わせる
   のだ。とはいうものの、一度緊張してしまった心を、平静な状態に戻すのは難しい。そこで、あえて体を大きく
   動かしてみよう。積極的に体を動かすことが、逆に攻めの心を呼び起こすこともあるのだ。

 定位置よりも一歩前でプレーしてみよう

 柔道や剣道、または野球の打者と守備の選手のように、相手と自分の間に距離が生じるスポーツでは、守りの
心理が強いときには、無意識のうちにいつもより後ろに下がって距離を広げているものです。
 これは、ミスを恐れるあまり生じる「相手の攻撃からできるだけ逃げておきたい」「自分から無理して攻撃的な
プレーを仕掛けなければ逃げ切れる」という心理の現れです。
 こういう状態のときは、相手に積極的に攻められると完全に受け身になり、逆にミスにつながることが多くなり
ます。それを防ぐためにも、あえて攻めの心理をもたざるを得ない状況に自分を置くことが大切です。
 たとえば、今自分と相手との距離が通常よりも長ければ、守りの心理になっているときなので、あえて定位置
よりも一歩前に出てみましょう。
 そうすれば、それに合わせて気持ちも前面に押し出される形で自然に攻めの心理になるはずです。

 あえていつも以上にプレー動作を大きくしてみよう

 守りの心理のときのプレーは、「ミスしないように」とりわけ慎重になっていますので、動きも遅くこぢんまりとして
います。これは、過度に丁寧にプレーしようとして、思い切りのよさが欠けている状態ともいえるでしょう。
 こういうときは、自分の動きがこぢんまりとしているぶんだけ、相手に大きな動作で素早く攻められると、圧倒
されてしまう可能性が高まります。
 また「このリードを守らなくてはいけない」という気持ちが、体の緊張を生んで固くなったりもするので、相手の攻め
に対応できなくなります。
 こういう状態のときは、あえていつも以上にプレー動作を大きくするように心掛けてください。「いつものように
大きく」という程度では、守りの心理のときには、まだ実際の動作は小さいものです。ですから、「いつも以上に
大きく」くらいに意識して、ようやくいつもと同じくらいの動作になるのです。
 心は動作を作り、動作は心を作ります。ダラダラした動作をしていれば、心もダラけてきますし、キビキビした
動作をしていれば、心も適度な緊張感のある引き締まった状態になるものです。
 これと同様に、プレーをこぢんまりした動作から大きい動きにすることで、攻めの心理を取り戻すことができるの
です。

 点差を広げて勝利するように意識をもとう

 マイナスではなくプラスの展開をイメージ

 心で作り出した限界を打ち破ってみよう

 相手の攻めの心理に、自分の心理を同調させる

 敗北に意識を向けてみる

 攻めの心理7割、守りの心理3割のブレンド心理   


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