| 卓球 「イチロー頭脳」 〜目標を達成するための思考法〜 |
NO.173 |
2006.5.30作成
前号で、あきらめない人の夢は必ず叶うと「イチロー頭脳」(児玉光雄著)より紹介しました。その本の後半に、
イチローだけでなく、日本人メジャープレーヤーの至言という章があったので、「第6章 成功者たちに学ぶ」と
「第7章 メジャーという世界への挑戦者」から、少し紹介したいと思います。
「やっぱり試合と同じ感触で練習をしなくちゃ、練習している意味がないと思うから。特にバッティングのときは必ず
試合と同じ普段の格好でやっていますよ」
松井秀喜(ニューヨーク・ヤンキース外野手)
本番で強くなる秘密の方法
練習のための練習をいくらしても身につきません。いつも本番のことを想定して練習すべきです。練習でいくら
ヒットをうまく打っても、プレッシャーがかかったかかった状態では、同じ成果は出せないのです。
頭のなかで練習するときにも、冷汗をかきながらつらいシーンや厳しい状況から見事に脱出するシーンを描けば
いいのです。これは「映画を観るテクニック」と私が呼んでいる本番で強くなる秘密の方法です。
勉強もこれと同じ理屈。試験に出そうな問題を予想して、そこを重点的にマスターするのが優秀な生徒です。
つまり本当に重要なポイントはなにかという実戦的な部分まで考えているわけです。一方勉強するのが下手な生徒
は、教科書の1ページ目から最後のページまでを順番に見ていきます。だから本当に重要な部分を見逃してしまう
のです。結局、勉強する時間をかけるわりに良い成績が取れないのです。
実際に試験で問われるのはどこか、そういうことまで考えて勉強することにより、成績が上がるだけでなく直感力
も鍛えられるのです。
「アメリカでプレーし続けるというのは、本当に大変なことだ。
メジャーでプレーしたことがある選手なら、1年間、怪我をせずにプレーし続けることの大変さを実感しているはず
である。
それを繰り返し5年以上、あるいは10年近くプレーするというのは、なにかをずっと考えているからこそできる
のだ。
断言してもいい。才能だけで5年以上はできない」
長谷川滋利(元シアトル・マリナーズ投手)
長く続けることこそ本物の才能
長谷川投手ほど時間をかけて成功を得ることの大切さを自覚しているメジャーリーガーはあまり見当たり
ません。
短期間で達成できることは本当の成功とは言えません。人生の本当の勝者とは、最後に笑う者のことを指す
のです。
欲しいものを手に入れるためには、結果をすぐに手に入れようとしてはいけません。たとえば、ファミコンソフトを
手に入れるとき、自分でアルバイトして買うのと、親に買ってもらうのとを比べれば、その喜びはまったく違う
のです。
欲しいものが努力なしにすぐに手に入ってもうれしくないのと同じように、困難を耐えに耐え抜いて、苦労の末に
欲しいものが手に入ったときのほうが圧倒的に喜びは大きいのです。
時間はお金と違って一度に使うことはできません。あるいは、お金のように使わないで貯金しておくことも
できません。時間は同じリズムで、しかも着実に経過するのです。
つまり、地道に時間をかけたことは必ず身につくのです。
「まだ15年しかやってませんし、吉井や工藤さん、米国でやっている人も、もっと長く野球をやっているので、僕は
それを目指している」
野茂英雄(ニューヨーク・ヤンキース投手)
いつまでも情熱を持って
1995年にメジャーデビューして以来、野茂投手は15年ずっと先発としてやってきました。デビューした年に
奪三振のタイトルを獲得しただけでなく、これまでノーヒットノーランを2度記録しています。
一方で、これまで数多くの球団を渡り歩き、マイナー落ちという屈辱も何度か経験しています。しかし、37歳の
現在でも、「投げる情熱」に関してはいささかの衰えもないのです。
情熱を持ち続けるということは立派な才能です。たとえ成果が出なくても、とにかく脱落しないでかじりついていく。
気がついたら偉業を成していた。野茂投手の日米通算200勝もそんな心境から生まれた大記録ではないでしょう
か。
どんな境遇であろうと、いかに周囲に批判されようと、野茂投手はあらゆることを犠牲にしても、投げ続けることを
優先させる勇気があったのです。
どんな状況でもとにかくやり続けたら、だれでもすごいことが成し遂げられるはずです。そしてその情熱は、多くの
人に感動を与えることになるのです。
「こればかりは運が良かったなというだけだと思います。
地区優勝は大変なことだったんですけど、それからのプレーオフの試合は、チームにとって非常に良かったです
し、たまたまその時期にチームに一番いい波が来たと思っていますので、ワールドチャンピオンというのは最後の
おまけだと思います」
井口資仁(シカゴ・ホワイトソックス内野手)
チャンスはあなたの目の前にある
本当の意味で運が良い人とは自力でそれを引き寄せた人です。他力本願の宝クジに当たるのは、実は幸運
ではないのです。実際に宝クジが当たった人たちのその後の人生は、必ずしも幸福ではないことがそれを
物語っています。
幸運を自力で引き寄せたかったら、まずチャンスに気づくということ。すごいチャンスが目の前を通り過ぎていく
のに、多くの人々はそのことにまったく気づかないのです。
それに気づくためには、日常を懸命に生きて常に感性を光らせておくことです。必ずチャンスはやってきます。
しかし一度逃すと、幸運が再び訪れる保証はまったくないのです。
井口選手はワールドシリーズで優勝しようと思ってプレーしているのではありません。目標をしっかり見据えて、
目の前のプレーを一生懸命やったから、彼は自分の夢であるメジャーへ進むことができました。そして実績が
あったから、可能性のあるチームを選択することができたのです。
日頃から目の前を通り過ぎるチャンスに気づくために準備しておきましょう。そうすれば、幸運があなたに訪れる
確率は間違いなく高まるのです。
「有言実行しようと、『レギュラーを獲るのが目標だ』と渡米して、結局レギュラーにはなれなかったけど、とりあえず
『ジプシー・レギュラー』と自称するまでには至りました。来年は、定住できますように」
田口壮(セントルイス・カージナルス外野手)
頭で考えず、まず行動すること
2005年のカージナルスの地区優勝に貢献した田口選手は、143試合に出場して2割8分8厘の記録を残し
ました。
メジャーでプレーすることは田口選手の最大の夢だったのです。彼の野球への取り組みにはこだわりが
あります。どん底まで落ちてもいい、どんなに泥まみれになってもいいから、とにかくメジャーリーガーになること。
「力がついたらアメリカに渡る」と考えているプロゴルファーがいます。この考えでいる限り、この選手はいつまで
たってもアメリカでプレーすることはできません。
どんな形でもいいから、とにかくその現場に行ってプレーすることを最優先させる。それが実力をつける大きな
武器になります。アメリカで活躍したかったら、まずアメリカに渡ることを決める。そこから始めなければならない
のです。そう決めてあらゆる手段を駆使してそれを実現すれば、あとは黙っていても実力がつくのです。
見栄や建前を捨て去って、とにかくやりたい現場で行動することをなんとしても実現させましょう。それがあなたを
成長させ、実力をつけてくれるのです。
「オリンピックに行ったとき、あれだけのスーパースターの集まりが、当たり前のように一塁にヘッドスライディング
していた。
アウトとわかっているような当たりでも一塁まで当然のように全力疾走していたのを見て衝撃を受けたんです。
それで足を捻挫した人もいれば、怪我をした人もいた。
でもそうしたプレーはプロとして当然のことなんです」
城島健司(シアトル・マリナーズ捕手)
何事も気迫をみなぎらせて取り組もう
城島選手のプレーにはいつも気迫があふれています。本塁に戻ってくる選手を身体でブロックしてアウトにする
シーンを、あなたもテレビのプロ野球中継で観たことがあるでしょう。そのことにかけて、彼はキャッチャーとして
日本一なのです。
気迫こそチャンピオンの共通点。メジャーリーガーが全力でプレーするのは、気迫を身につけたいからです。
同じ力量の選手が戦ったときには、気迫に優る選手が勝利を収めるのです。また、いくら素晴らしいプレーをしても
その選手に気迫がともなわなければ、ファンを感動させることはできません。
気迫はすぐに身につくものではありません。日頃から気迫をみなぎらせて活発に動くことを頭のなかに叩き込み、
どんなことにも一生懸命心を込めて取り組むこと。そうすれば、自然に気迫がこもって良い結果が得られます。
黙っていても全身全霊を打ち込んでいれば、周りのだれもがそのことに気づいてくれます。そんな言葉をことさら
口にしなくても親や先生にすぐに伝わります。
気迫を持って何事にも取り組むことであなたの周りに良いことが起こり始めるのです。