| 卓球 「質問力」 〜相手自身に気づかせる〜 |
NO.193 |
2006.12.21作成
インターネットのAmazonで、「質問力」(齋藤孝著、ちくま文庫)という本を見つけ、早速読んでみました。
この本の内容は、質問のしかたについてのテクニックが書かれていて、自分が成長していくためにすぐれた人から
質問のしかたによって有益な情報を教えてもらえるという、とても参考になるものでした。さらに、その本の次の
エピローグに書かれていた文章の一部分に興味を持ちました。
「質問力」という考え方を導入すると、日常のコミュニケーションがクリアに見えてくるが、おもしろくなるのは
そればかりではない。たとえば孔子やブッダ、キリスト、ソクラテスといったすぐれた人物たちの話した言葉を質問
との絡みで見直すと、ずいぶん違ったものが見えてくる。
たとえば偉大な聖人たちはほとんど自分で本を書いていない。質問に答えて話をするのが基本的なスタンス
である。目の前にいる人から受けた質問に対して答える生きた言葉が、歴史の中で命を保ってきたわけだ。
孔子も言っているが、「同じ質問をしているのに、答が違うのはどうしてなのか?」ということがある。なぜあの人
にはこう言って、この人には言わなかったのか?それは相手のレベルを見通して答を言っているからだ。彼らも
普遍的かつ絶対的な真理をいつも述べているわけではない。質問者しだいによって引き出されるものが違うので
ある。
…
なぜ同じ質問なのに答が違うのかという点については、下村湖人の『論語物語』(講談社学術文庫)に明確に
書いてあったが、ある人がこの世に霊があるのかどうか孔子に質問したところ、相手によってどんどん答を変えて
いったという。明らかに同じ質問のようだが、相手の力量を見計って、相手の実力に合わせた話をしたということ
である。
ソクラテスもおもしろい。彼は質問上手であり、質問するのがあたかも仕事のような哲学者だ。ソクラテスの場合
は、もちろん自分で教えも説くが、自分のアイデンティティを「問いを発する人」に置いている点が孔子と違う。自分
が真理を説くのではなく、相手に質問することで相手自身に気づかせていくのだ。
特に自分が何も知らないことに気づかせる、という無知の知を知らしめるような質問をしている。質問の価値、
質問の問う力を明確に評価し、実践した人である。
…
このことは、アドバイスをする際にも参考になると思う。自分から知っている答を一方的に教えるのではなく、
相手に質問することで相手自身に気づかせる。さらには、まだまだ何も知らないので学んでいこうという姿勢が
大切だということに気づかせる。そんな質問ができたら、いいアドバイスになるような気がする。