| 卓球 「メンタルトレーニング流れに乗る技術」@ 〜メンタルトレーニング(11)〜 |
NO.229 |
2007.4.30作成
以前にも何冊か紹介した高畑好秀さんの本ですが、「勝負強さを鍛えるメンタルトレーニング 流れに乗る技術」(高畑好秀著)という本を
見つけました。スポーツに学ぶ「流れに乗る技術」というもので、試合における流れをいかにつかむか、大変勉強になる内容でした。
今回は、第1章 流れとは何か と 第2章 いい流れに乗るための心構え から、興味のある部分を少し紹介したいと思います。
第1章 流れとは何か
流れが生みだす奇跡的な勝利
運がいい人と運が悪い人がいます。世間の荒波をかいくぐり、幸運や成功を手に入れることのできる人、生存率がわずか1パーセントという難病
を克服して死の淵から生還する人、出発時刻に遅れるというヘマをしたことで危うく飛行機事故を回避できた人などなど…。そういった人たちは
「運がいい人」と言われます。しかし、それだけでしょうか。「運」というひと言で片づけることにどこか釈然としない思いに駆られるのは、私だけでは
ないはずです。
奇跡は偶然と偶然が重なりあって起こります。しかし、そこには偶然が重なるだけの必然性が潜んでいるのではないかと私は考えています。
プロ野球の世界では、優勝は不可能と見られたチームに日替わりでヒーローが現れ、神がかり的な強さを発揮してペナントレースを制するといった
ことが、ごく稀に起こります。
1996年、読売ジャイアンツは首位を独走していた広島東洋カープに7月前半時点で11.5ゲーム差をつけられていました。しかし、ジャイアンツ
はペナントレースの正念場と言われる夏場に驚異的な強さを発揮し、セントラル・リーグを制覇しました。長嶋茂雄監督(当時)が「メーク・ドラマ」と
評した奇跡的勝利も、積み重なった偶然が必然となったのです。
奇跡的な幸運は、行動を起こすことで次々と生まれる偶然の「流れ」のなかにあるのです。人間の起こす行動や、世の中の道理、現象などには
必ず「流れ」があります。「流れ」は目に見えないものですが、それを正しく理解し、うまく乗ることのできる人間が「運がいい人」「奇跡を起こす人」と
賞賛されるのです。
しかし、「流れに乗る技術」は選ばれた人間だけに与えられた特別な才能というわけではありません。誰もが平等に与えられた資質なのです。
そして、幸運を引きこむいい流れに乗るためには、心の状態がカギになってきます。
先ほど例に挙げたプロ野球で考えると、シーズン半ば時点で首位と10ゲーム以上離されたチームの監督が「優勝はもう無理だ」と諦めて
しまえば、リーグ制覇は不可能になります。どんなにゲーム差が離れていても「絶対に優勝するんだ」という戦う気持ちがあれば、その熱意が選手に
伝わります。そして、指揮官の闘争心に感化されたチームは、ペナントレース制覇に向けて一丸となることができるのです。流れに乗るのも乗らない
のも、本人の気持ち次第なのです。
「!諦めない心が流れに乗るきっかけをつくる」
第2章 いい流れに乗るための心構え
自分の実力を高める目標の立て方
「上には上がいる」
私はこのことばが人間が成長するうえで、とても重要であると考えています。
大きな仕事をしたあとには身体的な疲労感があるかもしれません。しかし、意識だけは常に上を向くことができます。気持ちが現状より少しでも
高みを向いていれば、前に進むことはできます。逆に「これでいいんだ」と満足してしまえば、成長は望めないばかりか、実際には自分の実力を退化
させることになるのです。
自分自身が下す評価は甘くなりがちです。
「これぐらい頑張れば、だいたいライバルと同じぐらいだな」と感じるレベルは、世間の評価では相手のほうが上。「これでライバルを抜いた」と
思ったぐらいで、周囲の人は「ようやく肩を並べたな」と認識する。
自己評価に対する厳しい視点は、肝に銘じておいて損はありません。
しかし、目標をあまりに高いところに設定しても、なかなか達成感を得ることができず、成長は望めません。志は高く持つべきですが、目標は
頑張れば手が届く高さに設定し、達成するごとに新たな目標を考えるほうがいいのです。
「満員の東京ドームでコンサートをやるのが目標」
日夜、路上ライブを行うストリート・ミュージシャンが、こんな大風呂敷を広げていたとしたら、10年経ってもそのステージは変わらないでしょう。
東京ドームのような大きな会場でコンサートをするために、実際にどういうステップを踏んでいけばいいか、具体的なイメージを描けないからです。
自分の実力よりも少し高いレベルの目標であれば、そこに到達するための道筋をしっかりイメージすることができます。頭のなかでイメージが
できることでは戸惑ったり、立ち止まったりすることはありません。
「今日は道行く人のなかで少なくとも5人が立ちどまって聴いてくれるまで頑張ろう」
自分が置かれている状況を理解したうえで、このような具体的な目標を立てることができれば、路上パフォーマーが東京ドームのような大舞台で
演奏することも夢ではなくなります。
実行可能な目標を達成できたら、「次の日は8人」というように、少しずつ目標を高くしていけばいいのです。小さなゴールをひとつクリアしていき、
少しだけ高みの環境に身を置くようにする。実現可能な目標設定をし、それを達成していくことを繰り返すと、それまで見えなかったことがおのずと
見えてきます。少しだけレベルアップした新たな視点で新たな目標を設定する。その繰り返しが成長につながるのです。
「!目標は自分の実力より少し上に設定する」