卓球 青森山田高校の練習 
 
    〜「卓球レポート」より〜
 NO.38 

99.8.5作成

●青森山田高校の練習 〜「卓球レポート」8月号より〜

 1997年8月、吉田安夫監督率いる青森山田高校が1年生主体のチームで衝撃のインターハイ優勝
を遂げた。その後、青森山田高校は高校卓球界で無敵の快進撃を続け、今年のジャパントップ12では
全日本チャンピオンを破るなど、世界選手権日本代表に抜てきされた。
中学時代に全国のトップでなかった選手たちが、なぜこのように短期間で強くなったのか。
青森山田高校はどんな練習をしているのか。卓球レポートに特集があったので紹介します。


『動きを入れた練習』に尽きる

 「どんな練習をしたらよいか、を一言で答えるなら『動きを入れた練習をすること』に尽きますね。
動かないで1つひとつの技術練習をする選手がいますが、これはダメ。
試合での技術は必ず動きを伴ったものになるんですから、練習もそうしなくちゃいけない。
そうでないとなかなか試合で使える技術が身に付かないし、強くなれない。
45年の指導経験からこのことは確実に言える。
どんな練習でも実戦と同じような動きを入れて練習することが大切。これが練習方法のポイントです。
 しかし練習方法の前に、選手が強くなるには何が必要かというなら、まず心構えが第一です。
選手としては『卓球が大好き』なこと。これがあれば必ず強くなれる。
選手の関心が卓球以外にあるのでは強くなるはずがありません。これが最も重要なポイントです。
 ですから監督としては、選手が卓球が好きになるように動機付けることが最も大切な仕事になります。
技術的なことは練習場で言い、ミーティングでは心構えを話します。
卓球だけでなく、世界観、人生観が必要です。
高い目標を掲げ、『長い人生の中で高校時代はたった3年間。好きな卓球をやるんだから全力でやろう』
と選手に話します。選手が一生懸命やれば必ず強くなります。
半年で強くなります。これが監督の最も大切な仕事でしょう。
そのためには選手をほっぽらかしにしておくのではなく、指導者が常に一緒にいることが大切です。
 卓球が好きで、練習を一生懸命やれば誰でも強くなれます。
『よく食べ、よく寝て、よく鍛える(卓球も勉強も)』が私のモットーです。
高校時代によい練習内容で1日5時間卓球に打ち込めば一流選手になれるのです。
 私の指導経験から言って、選手に目標と目的意識があれば必ず強くなります。
監督としてはそういった選手たちには、スポーツマンとして日常生活をどのようにすべきか、物の考え方や実行の仕方を話します。私は、打法でも何でも選手を型にはめることはしません。個性を生かすようにします。
選手が高い目的意識を持てば、練習でも、生活でも自然としっかりしてきます。
強くなる選手は自分に対する厳しさがあるのです。」


青森山田の休日練習例

 [練習内容1]が休日に青森山田がやっている練習です。これをするには6時間はかかります。
青森山田の平日の練習時間は正味4時間程度ですから、このうちいくつかを状況によって削ります。
練習方法は固定的ではありません。
大会が近づけばゲーム練習をいきなりやることもあるし、サービス・レシーブの重要性を意識させたいときは
サービス・レシーブから練習を始めるときもあります。もちろん選手によって練習内容は少しずつ変わります。

1.サービス練習 20分
   サービスだけの練習。規定練習後、自主的に行う選手もいる

2.シャドープレー 3分

3.バック対バック 7分×両者=14分
   実戦的な基本練習(以下練習例)

@

  サービス
A フリック

  
B

  プッシュ
Cハーフボレー

  
D

  プッシュ
Eバック強打

  
F

  ブロック
G回り込みドライブ

  
 

4.フォアクロス打ち 14分
   実戦的練習。ドライブ、ブロック、強打、スマッシュ

5.ツッツキ 10分
   小さく止める、深く切るなど。戻りをきちんとする

6.バックドライブ 10分×両者=20分
   一方がクロス、ストレートに交互にバックドライブ。もう一方はそれをブロックする

7.N字式フットワーク 7分×両者=14分
   片方がストレート、もう一方がクロス(以下練習例)

@ ドライブ

  
A

  ブロック
Bバックハンド

  
C

  プッシュ
D ドライブ

  

(休憩 10分)

8.2分の1フットワーク 15分×両者=30分
   連続強打。ラリーに強くなる基本(以下練習例)

@ ブロック

   
A

  連続強打

9.切り替えフットワーク 15分×両者=30分
   前後左右の動きがすべて入っている基本中の基本のフットワーク(以下練習例)

@フォア前サービス

          
A

  フリック
Bハーフボレー

  
C

  ドライブ
D ブロック

  
E

 バックハンド
Fハーフボレー

  
G

回り込みドライブ
H ブロック

  
I

  ドライブ
 

(休憩 8分)

10.3点のフットワーク 10分×両者=20分
   @バック前のサービスをバックで払う→A相手はミドルに返す→Bフォアドライブでバックに→
   C相手はバックに返す→D回り込んでクロスにドライブ→E相手はフォアに返す→
   Fフォアに飛びついてドライブ→G相手はバックに返す→Hバックハンドで打つ(最初に戻る)

11.バックからフォアへ飛びつき打ち合い 10分×両者=20分

(休憩 8分)

12.サービス+3球目、レシーブ+4球目 30分

13.ゲーム練習(シングルス、ダブルス) 60分
   30分で1試合。時間が来たら終わり。リーグ戦もやる。大会の前は多くなる

14.多球練習 60分
   実戦的に、いろいろなパターンで行う(以下練習例)

@バック前を払う
A回り込みドライブ
B飛びつきドライブ
Cフォア強ドライブ
Dバック強打
E回り込みドライブ
 

2時間で強くなる練習方法

 [練習内容2]が2時間しか練習時間のとれない選手のための練習メニューです。
短時間の練習だったら、この内容が最も効果的でしょう。そして台につけない時間をどう使うかが大切です。
学生なら勉強するときには勉強に集中し、トレーニングや卓球を考える時間をこの練習の他につくるように
すべきです。
 練習のポイントはいくつもありますが、まず選手は自分のプレーの長所、短所を知っておくことです。
そうすると強くなるためには自分には何が必要かが分かり、練習に目的意識が出てきます。
 目的意識が出てくると、何をやったらいいかがはっきりするので、プレーに集中力が出てきます。
強くなるためには練習のときの集中力が絶対に必要です。特に質の高い練習内容をするために欠かせません。

1.バック対バック、フォアクロス 10分

2.N字式フットワーク 7分×両者=14分

3.2分の1フットワーク 10分×両者=20分

4.切り替えフットワーク 10分×両者=20分

5.多球練習(以下練習例) 16分×両者=32分
   @ネットプレー(軽打とストップ)2分×2回
   AF前→F→B→B→F 2分×2回
   BF前→B→B→F→F 2分×2回
   CB前→F→F→B→B 2分×2回
   時間の少ない選手には多球練習が効果的

6.ゲーム練習 24分
   時間が少ない選手は実戦練習を必ずやろう

*この他に、体操、トレーニング、シャドープレー、ビデオを見るなどする


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