卓球 卓球と脳(1) 
   〜「卓球レポート」より〜
 NO.43 

2000.1.5作成

●卓球と脳 ―卓球は脳に素晴らしい影響を与える― 〜「卓球レポート」1月号より〜

 「卓球は脳血流を増加させ、脳を活性化させる」「卓球選手は明るく、好奇心が強い」「卓球は脳のリハビリに
効果が高い」などの研究が、11月6日に東京の日本都市センターで行われた「第10回日本臨床スポーツ医学会」
で正式に発表された。
 今回、これらを医学的に実証したのが大分医学大学の森照明先生と大分アルメイダ病院の佐藤智彦先生
その「卓球と脳」に関する実践的研究の医学的な価値は高い。また世界のスポーツ界、医学界全体を見ても
「スポーツが脳に与える好影響」を科学的に分析した研究例はかつてない。今回、本誌が取材した森、佐藤両先生
は「スポーツと脳」の研究に世界で初めて取り組んだパイオニアである。 


卓球選手は明るく、好奇心が強い

― 11月に行われた学会で、森、佐藤両先生が「卓球と脳」について発表されたそうですが、どんな様子だった
 のですか。
(森) 「日本臨床スポーツ医学会」(全国医学会)というのは日本の臨床スポーツ医学に関心のあるドクター
 約2500名で結成している団体で、今回はそのうち約900名が参加しました。学会での発表演題数は
 特別講演も含め約200題でしたが、その中で私が3題、佐藤先生が3題の計6題、卓球関係だけでも4題
 発表しました。一施設から発表する演題数では最も多いだろうと思っていたら、慶応大学が7題発表していて
 1位は逃してしまいましたが…(笑)。
(佐藤) でも、1人で3題も発表したのは私たちだけでしたね(笑)。
(森) ええ、その通りで、卓球関連の発表もかなりインパクトがあったと思います。この学会はスポーツ医学の
 日本最高峰の学会で、この学会で正式に発表したということは医学的に公式に認知される第一段階になります。
 抄録は公式記録として今後引用が可能です。「かな拾いテスト」などで「卓球をやっている人間の数値は
 一般人と比較して明らかに高い」というデータを示したときなどは、会場からかなりの反応がありました。

― 先生方が研究されてきた内容を分かりやすく教えてください。
(森) では『卓球レポート』の読者向けに、私たちが研究してきたことを4つに分けて紹介しましょう。

  まず、上の表1〜2を見てください。これは卓球をする人の性格を調べた表です。半年間かけて西日本で
 行われた19の試合会場を関係者が訪問し、卓球選手約3000人に対してアンケート調査を行った結果です。
 やり方は、アンケート用紙に書かれた28種類の性格の中から自分に該当するものを複数回答してもらう
 方法で、その結果、
 卓球をする男性1526人の性格ベスト5は「好奇心が強い」「気が強い」「明るい」「楽観的」「まじめ」の順で、
 卓球をする女性1524人のベスト5は「明るい」「好奇心が強い」「気が強い」「楽観的」「まじめ」の順でした。
 40歳代の女性では5番目が「まじめ」に代わって「優しい」が入り、70歳以上の男性では「気が強い」に代わって
 「実直」が入るなどしていますが、ベスト5はどの年代もほぼ同じでした。この調査から分かった卓球選手の
 一般的な性格は「明るく、積極的で、気が強い」というものでした。
  また、ここには年代別の表などは載せていませんが、今回の調査データはパソコンに入力していろいろな角度
 から分析できるようにしてあり、それを見ると、ベスト6以降では若い人と高齢者に「気が弱い」「好奇心が弱い」
 などの項目が、卓球選手においても若干増加していました。しかし「性格が暗い」はどの年代も非常に少なく、
 年齢が上がるにつれてさらに減少していました。この3000人の調査結果から、卓球をしている人間は
 どの年代でも明るく、ポジティブ(積極)志向であり、年齢が高くなっても極めて健全な性格を有することが
 分かりました。
  また、今回のアンケート調査から、若者もそうなのですが、特に中高年期を迎えた人間にとっては、お互い
 コミュニケーションを取り助け合うため、そして健康を維持するために、卓球などのスポーツをする意義が大きい
 ことが分かりました。


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