| 卓球 卓球と脳(2) 〜「卓球レポート」より〜 |
NO.44 |
2000.1.6作成
前回の続きです。
卓球は脳を活性化し、ボケを予防する
| 表3 〔やり方〕平がなで書かれた文章の意味を読み取りながら、同時に 〔練習問題〕「ももたろうは、きじといぬとさるをけらいにして、 〔本題〕 |
(森) 次に表3を見てください。これは性格調査のアンケートと同時に行った「かな拾いテスト」の問題用紙です。
問題文の意味を読み取りながら、「あいうえお」の文字に○をつけます。制限時間の2分間でいくつできるか、
やってみてください。

表4は、3000人の卓球人による「かな拾いテスト」の成績結果を、一般の人の平均値と比較した表です。
この「かな拾いテスト」の正解数満点は61点で、縦の数値が得点を、横の数値が年齢を表します。この表を
見ると、男女を合わせて、どの年代でも「卓球選手」が「一般」を大きく上回っていることがはっきり分かります。
今回の調査で最も成績が良かったのが16〜19歳の女性の平均約51点で、最も低かったのが70歳以上の
男性の平均約33点でした。また40代、50代の女性の成績が、一般との比較で最高に良かったことが特筆
されます。卓球界における「レディースプレーヤーの活躍」を、この機能テストでもはっきりと実証しました。
この表を見ると、年齢が上がるにつれて成績が下がる「ボケ」の傾向が全体として見られます。しかし、卓球
をしている人は低下のスピードが遅く、60代、70以上の高齢者同士の成績を比較すると、卓球をしている人と
一般の人との差が極端に開いていることが分かります。この表から「卓球はボケを予防する」ことを読み取る
ことができます。
この「かな拾いテスト」は、大脳高次機能検査の1つである前頭葉機能テストというものなのですが、性格調査
とデータと同じようにパソコンに入力してあり、いろいろな方面からの解析を行っています。例えば、「性格調査」
と「かな拾いテスト」のデータを組み合わせてみると、「積極的」「好奇心が強い」「気が強い」性格の人の方が、
「消極的」「好奇心が弱い」「気が弱い」人より正解数が高い傾向があることが分かりました。また「タバコを
吸わない方がボケない」ことも分かりました。

表5は、全身反応時間のテストで、卓球をした後は反応時間が早くなることを実験したものです。やり方は
「被験者が光源を見て、光がついたらすぐ跳び上がり」その反応速度を見るというテストです。初めに何もして
いない人たちにこのテストをしてもらい、同じ人たちに1週間1日30分卓球をしてもらった後、同じテストをして
もらって変化を見ました。この表の中の症例1というのが1番目の人の結果で、赤い棒が卓球をする前、黄色い
棒が卓球をした後の反応時間を示しています。この人は、初めは光を見てから跳び上がるまでに、約0.37秒
かかっていたのですが、1週間卓球をした後に同じ検査をしたら約0.34秒に早くなっていることが分かります。
この実験は、まだ症例が少ないのですが、卓球が目から入った情報を一瞬のうちに判断し行動する能力を
高め、脳の働きを良くする効果があることが分かります。
この他にも「寝かせてある棒を一定時間内に幾つ立てられるか」などの敏捷性テストを、卓球する前と後で
比較するなど「卓球した後に能力が上がる。卓球は脳にいい」という実験を幾つも行っており、今後それらの研究
を学会で発表していく予定です。