卓球 新時代卓球に勝つための10か条 
        〜松下浩二「最強の卓球レッスン」より〜
 NO.69 

2002.9.19作成

 40ミリボール、11点制に続き、この9月からサービスのルールも改正されました。ルールが変われば、当然、

技術も変えていかなければなりません。そこで、ルール改正に対応した卓球入門書としてよく書かれている、

松下浩二プロによる「最強の卓球レッスン」という本から、新時代卓球に勝つための10か条を紹介したいと

思います。


40ミリボール、11点制、サービス新ルール―「新時代卓球」に勝つための10か条

その1
ラリーが続く傾向にある。ラリー戦に強いプレースタイルをつくろう

 40ミリボールになってからのプレーの特徴として、レシーブがやりやすくなったこと、打球のスピードが落ちた
こと、などが挙げられる。これにより、3球目、4球目でポイントが決まるケースが減少した。すなわち、ラリーが
続きやすくなったのである。
 さらに、サービスルールの変更(11点制での2本交替、ハイドサービスの禁止)も含めて考えると、今後、
ラリー回数は増える傾向にあるといえるだろう。
 これからの時代、ラリー戦を避けて通るのは困難になる。フットワークを駆使したプレーやきめの細かい
台上プレーも大切だが、ラリーの中でのコースどり、緩急の切り替え、逆モーション打法などをより重視し、
ラリー戦に強いプレースタイルをつくり上げよう。

その2
筋力が必要不可欠。上半身、下半身とも、バランスよく鍛えよう

 40ミリボールでは、以前のボールと比べると、打球のスピードや飛距離が落ちたため、弾みのよい用具が
求められる傾向にある。だが、一般に弾むラケットほど重く、ラバーは厚いため、ラケットの重量が重くなる。
 重いラケットを以前と同じようにスイングするには、それまで以上の筋力が必要になる。筋力のある選手と
あまりない選手の打球には大きな差が出るばかりか、筋力の裏づけがないまま重いラケットを振り続けていると
故障にもつながる。
 これまで日本では、ランニングなどの下半身の強化に力点を置く傾向が強かったが、卓球がドライブ中心の
パワー全盛時代に突入したいま、上半身の筋力アップにも目を向け、バランスのとれたトレーニングに努める
必要があるだろう。

その3
スロースターターは苦しい。「先行逃げ切り」を作戦の柱としよう

 21点制の場合、序盤でリードされても、中盤で追いつき、終盤で逆転するという戦い方もできたが、11点制では
それは通用しない。21点制に当てはめれば、中盤の10−10からスタートすることになり、調子が上がらない
うちにリードを奪われると、あっという間に挽回不可能な終盤を迎えてしまうからだ。
 スロースターターは、常に相手に主導権を握られたまま試合が進むことになるため、11点制では非常に苦しい。
「先行逃げ切り」を作戦の柱として、かりにビハインドを背負ったとしても、1、2点の範囲でついていけるような
試合運びを心がけよう。
 また、出足をよくするためにも、試合前のウォーミングアップはこれまで以上に入念にするほうがいいだろう。

その4
テストサービスは使いにくい。3球目攻撃を生かすサービスを研究しよう

 11点制の導入による戦術面での最大の影響は、サービスが5本交替から2本交替になったことだろう。
 従来の5本交替の場合、1本ぐらいは長いサービスなどの「見せ球」を使うことができた。かりに失点したと
しても、相手の待ちを分散させることで残り4本を生かすという戦い方ができたからだが、2本交替になったこと
により、「テストサービス」が使いにくくなってしまった。
 相手のレシーブを大きく崩すサービスを出せるにこしたことはないが、スコアが接近していても使えるかどうかが
カギになる。むしろ、サービスそのものを武器とするよりも、相手レシーブのコース、種類を限定させるなど、
3球目攻撃を生かすことに重点を置いたサービスを研究する必要性が大きくなるだろう。

その5
レシーブチャンスが広がる。「強気のレシーブ」を積極的に取り入れよう

 ハイドサービスが禁止になっても、依然としてサーバーが有利であることに変わりはないが、これまでよりも
サービスの効き目が薄くなるのは確実だ。40ミリボールになって台上プレーがやりやすくなったことも合わせて
考えれば、レシーバーになったときの得点チャンスが広がるわけだ。
 レシーブでは「1点狙い」の戦術をベースにしつつ、状況によっては「2本のうち1本とれたらラッキー」というぐらい
のリラックスした気持ちで構え、フリックで「2球目攻撃」を仕掛けたり、ネットミス覚悟でぎりぎりのストップをする
など、テストに近い「強気のレシーブ」を取り入れていく戦い方も必要となる。新時代の卓球では、レシーブが
消極的にならないような組み立てを考えたい。

その6
効いているサービスを温存できない。得点パターンを増やそう

 21点制では、テストサービスのような「捨てポイント」を使う余裕があった。たとえば、13−7でリードしている
局面では効いているサービスを温存して相手に慣れさせないようにし、16−14のように点差が接近してきたら、
また効いているサービスに戻すという戦い方をすることもできたのである。
 ところが、11点制ではこのような温存策をとるのが難しい。9−5ぐらいのリードで効いているサービスを温存し、
そこで相手から2点奪われてしまうと、相手のサービスに替わって9−9に追いつかれるケースも十分にありえる
からだ。
 11本制では、得点パターンを次から次へと繰り出していかないと勝ち切れない。そのバリエーションをいかに
増やすかがポイントになる。

その7
試合展開が早い。「マイナスイメージ」を引きずらないようにしよう

 21点制を「野球」とするならば、11点制は「ボクシング」のイメージに近いだろうか。
 ゲーム数が増えたことでベンチに戻る回数も増えたが、ゲーム間の休憩は半分の1分間になり、タオリングも
5点ごとから6点ごとになった。いったん試合がはじまってしまうと、終了するまでの間、気持ちを立て直すゆとりが
ないくらいに試合展開が早くなった。そのため、試合中の「セルフ・コントロール」がいっそう重要性を増している。
 競り合いのゲームを落としたときや、エッジボール、ネットインによる失点は、確かに精神的ダメージが大きい
が、「マイナスイメージ」をズルズルと引きずらず、気持ちの切り替えを早くすることが、11点制ではより大切に
なる。

その8
実力が結果に表れにくい。集中力を切らさないように心がけよう

 21点制では、ゲームの序盤で集中力を欠き、何本かの凡ミスをしても、挽回できるだけのポイント数があった。
だが、ポイント数が少ない11点制では挽回が難しく、ちょっとした気の緩みによる失点が命取りになることもある。
 格下の選手が格上の選手に勝ちやすくなったといわれるのも、格上選手のちょっとした油断が敗因となることが
多いからであり、2本交替のサービスでは得点パターンを温存できないというのも、以上のような理由による。
逆に、格下選手が格上選手に勝つためには、相手の気の緩みにつけ込むことが大切だ。
 集中力にムラがあると、重要な局面での凡ミスが致命傷になる。ゲームの最初から最後まで集中力を切らさない
ように心がけよう。

その9
競り合いのゲームが増える。相手の特徴を把握し、「接戦対策」を用意しよう

 11点制は、1ゲームに要するポイントが少なく、ゲーム数は多いため、9−9やジュースにもつれ込む局面が
増える。それは、競り合いのゲームを制するか否かによって勝負が決まることが多いということを意味する。
 このため、競り合いになることを前提として試合を進め、最後の局面で使う技術、戦術を用意しておく必要が
ある。たとえば、下回転サービスに対して、相手はバックサイドへのレシーブが多いから、回り込んで狙っていこう
というように、試合の中で相手のプレーの特徴を把握し、詰めの局面で狙い通りの展開に持ち込む試合運びが
必要になるのである。
「必殺サーブ」を隠しておき、ジュースになったときに初めて使うというのも、ひとつの方法といえるだろう。

その10
試合全体の構想が重要。ゲームオールで勝つ作戦を立てよう

 実力差が表れにくい11点制ではストレートで勝負が決まることは少なく、ゲームオールになることを見据えて、
試合全体の構想をしっかりと立てることが、21点制以上に大切になる。
「捨てポイント」を使いにくいのは確かだが、目先の1点をがむしゃらにとりにいく戦い方をしていると、最初の
ゲームはとりやすくても、後半のゲームは一方的にやられてしまうケースが多い。
 たとえば、1ゲーム目はサービスを相手のフォア前に集めて両ハンドを振っていく、2ゲーム目はハーフロング
サービスを相手のバックに集め、3球目をフォアハンドで狙っていく、というように、試合全体の中で効果のある
パターンを見極め、それを最終ゲームに集中して使うというような構想が重要だといえる。


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