| 卓球 「卓球戦術ノート」(3) 〜戦術の勉強〜 |
NO.77 |
2002.12.6作成
今回も、卓球王国ブックスから出ている「卓球戦術ノート」(高島規郎著)という本で、戦術について勉強して
いきたいと思います。今回は、第3章 戦型別の基本戦術 から、ためになった部分をまとめておきました。
1.シェークハンド攻撃型の戦術
・バックハンド攻撃からの戦術を身につけて、シェークの利点を生かす両ハンドスタイルを作ろう
ラケットはシェークでも、試合のやり方はペンホルダーと同じであったり、せっかくのシェークの長所を生かして
いない選手も少なくない。
(対シェーク攻撃型の戦術)両サイドには強いので、最大の弱点であるミドルを攻めて、相手の体勢を崩す
シェークの弱点は”ミドル”だ。相手の体の中心を攻めることが常套戦術になる。シェーク両ハンド攻撃型は
体から遠いところ、つまり腕の届く両サイドは比較的強い。だから、シェークに対してはミドルを攻めて、相手の
体勢を崩し、自分のペースに持ち込むことが基本戦術になる。
(対ペン表ソフト速攻型の戦術)一定のテンポのボールには強いので、テンポをくるわすボールを送り、時に速攻
を仕掛ける
表ソフト速攻型の選手は同じテンポで返ってくるボールには強い。そこでわざと打つボールをゆるくしたり、
回転のかかったボールを深く送ったり、横回転をつけたりするとタイミングが合わず、崩れることがある。
(対ペン裏ソフトドライブ型の戦術)バック対バックのラリーから始めて、フォアに大きく動かしてからバックを
つぶす
ペンの弱点はやはりバック。ペンのバックショートはシェークのハーフボレーのように伸びてこないから、
いったんバックを攻めてショートをさせておいてから、フォアかミドルを攻める。つまりペンドライブ型に対しては
バック対バックからラリーを始めるようにする。相手は、バック対バックで不利とだ思えば、先にフォアで回り
込んでくるので、それをフォアに返し、台から離す。そして台から離したら、バックを攻めていく。台から離れた時
にはシェークのようにバックで盛り返すことが難しいので、そのバックをつぶしていく戦術が有効なのだ。
(対カット型の戦術)前後に揺さぶることを基本戦術として、前に寄せたあとに両ハンドで狙う
ツブ高ラバーを使っているカット型に対してはドライブだけで攻めきれないケースがあるので、前後に
揺さぶって崩していく。前に寄せてから強いボールを打つ場合、前に寄せたあとのボールは、バックドライブを
混ぜながら両ハンドで攻めていく。前に寄せたあとに、次をフォアハンドで攻めることが多いと思うが、これでは
せっかく前に寄せても相手に待たれる。相手の待ちをはずすためには両ハンドで狙うことが大切だ。
・フォア主戦にこだわらず、新しい発想でスタイルを作ろう
自分のプレースタイルを決める時には、まず、どういう技で得点していくのかを考え、その技をどう使うかという
「戦術」を作っていく。そして、その戦術を生かすための練習をしていく。
そして、「シェークはこう打たなければいけない」「シェークではこの技はできない」という固定観念を捨てよう。
2.ペンホルダードライブ型の戦術
・弱点であるバックハンドをカバーできる思い切った戦術で活路を見い出そう
技術的にペンが有利であると思われるのがサービス・レシーブだ。特にレシーブでは、シェークと違い、台上
の短いサービスに対してほとんどフォアハンドでレシーブできるという利点がある。ところが最近では、バック前
に来たサービスをまともにバックでつっついてみたり、ふつうに軽くフリックするなど、レシーブからの攻めが
単調な選手が多く見られる。このあたりの技術に磨きをかければ、シェークに対しても十分アドバンテージを
取っていけるだけに、ぜひとも鍛えたい部分だ。
(対シェーク攻撃型の戦術)シェーク最大の弱点であるミドルを突くことが勝利への近道
前陣について両ハンドで速攻を仕掛ける選手に対しては、まず最初にミドルを突き、それから空いたコースに
大きく振る。中・後陣からやや大振りで攻めてくるタイプなら、フォアを2本連続で突くとか、左右に大きく
揺さぶってからとどめをミドルに打つ。このようにシェークの最大の弱点であるミドルを突くことが勝利への近道
である。
(対ペン表ソフト速攻型の戦術)ドライブとカウンタースマッシュでスピードと回転の変化をつけ、チャンスを作る
相手がブロック主戦、要するに自分からは打たずにカウンターを狙ってくるような戦型に対しては、両ハンドを
使ったオールラウンドプレーからチャンスボールを見つけて打ち込んでいくのがよい。
相手が速攻型で、どんどん打ち込んでくるような戦型に対しては、むしろドライブに頼った戦術よりも、相手の
強打をカウンタースマッシュで狙っていくほうが良い。
(対ペン裏ソフトドライブ型の戦術)いかに先手を取るか、いかに自分はフォア主戦で戦うか
同じ戦型の場合、いかに早く先手を取るかがキーポイントになる。フォアハンド主戦型同士の勝負において
は、サービス、レシーブ、台上でどうやって主導権を握るかということを最優先に考えるべきだ。
(対カット型の戦術)オールフォアで動き、連続ドライブから最後はスマッシュで決める
カット型に対しては、フットワークを使ってオールフォアで動き、連続ドライブから最後はスマッシュで決めると
いうのが基本。カット型がもっとも嫌がるのは、ワンコースにひたすらドライブで粘られ、最後にミドルもしくは
逆コースにスマッシュを打たれるというパターンである。そのパターンの中にストップを混ぜられると、カット型と
しては非常につらい。それに加えてサービスからの3球目もミックスしていけるのだから、ペンドライブ型はカット
型に非常に強い戦型だと言える。
・スマッシュ系の技術と台上プレーでペンドライブ型の可能性を切り開こう
中国式のグリップ(後ろ指を丸める)であれば台上で手首が自由に使えるのだが、日本や韓国式のグリップ
(後ろ指を伸ばす)では手首の自由がきかないため、台上のボールをスマッシュやドライブで攻撃できない
のだ。だから逆に言えば、台上の時のグリップさえ工夫すれば、この戦型にはまだまだ可能性があるということ
が言える。
3.ペン表ソフト速攻型の戦術
・最後まで打ち続けるという戦術の一貫性と、ボールの変化が必要
ペン速攻の選手には、戦術の一貫性とともに、技術のきめ細かさが要求されるのだ。河野満選手は技術が
実に多彩だった。特に、ヨ−ロッパ選手のドライブに対するストップ性ナックルショート、つまり、相手のボールの
力を殺して、相手の台上で止めてしまう技術や、相手を前に寄せてからのバックハンドのストレート攻撃などは
見事だった。
(対シェーク攻撃型の戦術)相手を前に寄せてから、ミドルからフォアを攻める
シェーク攻撃型に対しては、相手を前に寄せておいて、ミドルからフォアにかけて攻撃球を打っていくのが
定石だ。
自分が防御に回った場合には、プッシュ性のブロックよりもストップ性のブロックを多用するのが良い。小さく
止める技術は、シェーク攻撃型に対して非常に有効だ。
(対ペン表ソフト速攻型の戦術)相手の角度打ちを封じ、つなぎ球を打たせて狙い打ちをする
同戦型対決の場合、相手に先にドライブボールを打たせて、それを狙い打ちするという戦術がもっとも重要
だ。とにかく、相手に先に角度打ちをさせないことである。なぜなら、角度打ちのボールをカウンタースマッシュ
で打ち返すには、非常に高度な技術を要するからだ。
(対ペン裏ソフトドライブ型の戦術)フォアとバックのスピードの変化に気をつけて左右に大きく振る
コース取りとしては、一時期、中国の選手が日本のペンドライブ型の選手に対してやっていたように、フォアに
大きく振ってからバックサイドをつぶすのが正攻法である。特にバックサイドをフォアで回り込ませない工夫が
必要であり、そのためにはやはり、フォアへ攻めてからバックへ、というのが一番良い戦術だ。
(対カット型の戦術)つなぎ球に変化をつけ、前後に揺さぶりながらスマッシュチャンスを狙う
カットマンを得意とするペン速攻というのは、ストップを使う時でも、ただ短く止めるだけではなく、フォアで強打
するようなモーションを入れてみたり、ドライブのフォームでナックル性のボールを送ったりして、そこから、
両サイドに流れるようなスマッシュを打つという組み合わせを非常にうまく使う。それに加えて、サービスを
持った時の3球目攻撃や、台上攻撃を積極的に仕掛ける選手が多い。
・多彩なレシーブで先手を取り、フォアハンド攻撃を仕掛ける
ペン速攻の戦術では、レシーブでいかに得点ができるかということが一番の課題だ。表ソフトラバーによる
レシーブというのは、裏ソフトラバーの場合と違って、回転系のレシーブがなかなかできないため、それに
代わる技術というものが必要になってくる。すなわち逆モーション、ナックル性、ストップ性のレシーブである。
この三つをうまく組み合わせてレシーブをしなければならない。
4.カット型の戦術
・横回転の変化や反転技術を駆使して、球質を自由自在に操ろう
現代卓球においてカット型が生き残っていくためには、もっと多彩な戦術・技術が必要である。
その中で大切なのが、球質の変化である。これからは自力で変化をつけられるようでなければ通用しない。
さらに、球質を変化させる際にも、縦回転(下回転と無回転)の変化だけでなく、横回転にも変化をつけていく
べきだ。
(対シェーク攻撃型の戦術)広い守備力とコントロール、サービス・レシーブでの積極性が必要
シェークの攻撃型が相手の時は、常に両ハンドで決定球を打たれる可能性を想定しておかなければ
いけない。したがって、広範囲の守備力というものが必要になる。さらに、ナックルカットをエンドラインぎりぎりを
狙って落とせる技術がないと、常に威力のあるボールを受け続けることになるため、守備力だけでは対応
できなくなってしまう。
(対ペン表ソフト速攻型の戦術)回転とタイミングの変化、積極的な攻撃で相手のペースをかき乱す
ペン速攻の選手に対しては、切れたカットよりもエンドラインいっぱいに深く入るナックルカットが有効である。
浅く入ると狙われるので、気をつけなければいけない。ただし、裏ソフトの選手が相手の時よりも、回転に変化
をつける必要がある。単調になると、表ソフトの選手のペースにはまりやすいからだ。
(対ペン裏ソフトドライブ型の戦術)サービスからの3球目攻撃を警戒して、コース取りに細心の注意を払う
一番警戒しなければいけないのは、サービスからの3球目攻撃である。それに加えて、スマッシュを打たれる
こともあるので注意が必要だ。相手がペンドライブ型の場合は、バックハンドのドライブを警戒する必要がなく、
オールフォアで攻撃してくるタイプがほとんどなので、コース取りにもっとも神経を使うべきである。
(対カット型の戦術)前陣で積極的に攻撃を仕掛け、守備では相手の攻撃力を侮らないことが大事
攻撃力の差で勝負は決まるのだ。
・攻撃のレベルを高めて守備だけのカット型からの脱却。レベルアップするための3本柱
ひとつ目は、サービスからの3球目攻撃、レシーブからの4球目攻撃が、攻撃型の選手と比べても遜色の
ないレベルであること。ふたつ目は、変化カット。特に、縦回転だけでなく、横回転の変化カットができること。
三つ目は、カットからの攻撃のバリエーションが豊富であること。その攻撃球にも、一撃で仕留めることが
できるだけの威力があること。
この三つのバランスがとれたカット型でなければ、世界の頂点に立つことはできない。
・異質反転のカット型は、前陣での反転攻守と、ツブ高技術のレベルを高める
片面にツブ高を使用したカット型の弱点として、ツブ高面を集中的に狙われることが挙げられる。それは、
ツブ高では一定の回転のボールしか送れないという考えに基づいている。特に、自分から下回転の切れた
ボールを送るのは不可能だとよく言われる。しかし、それはスイングのスピードを変えることによって、比較的
簡単に変化をつけることができるのだ。
5.異質反転・攻撃型の戦術と攻撃
・異質反転の前陣攻守型は積極的な反転技術と、多彩な打法を身につけよう
ツブ高の打法と裏ソフトの打法をはっきり分けて、それを自分の体に覚え込ませたほうが早くレベルアップ
できる。反転した瞬間にテクニックを変える、スイングを変えるということを積み重ねていけば、反転技術の
レベルはかなり高いものになる。
・対異質反転型の戦術―ツブ高に対しては単調なドライブとツッツキは禁物。ナックル性ボールを有効に使う
ツブ高面に対して、強烈なスピンをかけたボールや、スピードのあるボールを送って止められると、非常に
変化の激しいボールが返ってくるので、そういうボールは極力送らないようにする。逆に、ナックル(無回転)性
のボールをツブ高面に集めると、相手はそれに合わせるしかないので、非常に単純なボールが返ってくること
になる。
・表ソフトと裏ソフトの異質攻撃型は表ソフトの変化を生かした速攻型を目指そう
表ソフトのほうが裏ソフトよりもドライブ処理をしやすいうえに、ナックル性のボールも出しやすい。そういう
理由で、表ソフトと裏ソフトの組み合わせは普及しているのだ。
6.オーバーミスを減らして試合で勝つ
・分析をすると、オーバーミスの多い選手の70%が試合で負けてしまう
オーバーミスの原因を考えていくと、まずはスイングの振り遅れ。相手の打球に押されて、自分で強く打球
することができずに、オーバーミスをしてしまうケース。次に、打球点を落としてしまうケース。積極的に高い
打球点で打っていくのではなく、消極的になり、受け身になった時にオーバーミスが多くなる。次に、自分が攻撃
した時に、強く打ちすぎてオーバーミスをするケース。これは強く打つあまり、打球が直線的に飛んでいくための
オーバーミスだ。
・自領コート上にボールの”飛行曲線の頂点”を持ってくればオーバーミスは減る
卓球マシンと選手を使い、台から1m、2m、3mの距離をとりながら、ドライブ、スマッシュ、カットなどの
各種打法が、どのようなボールの弾道の時にオーバーミスしたり、相手コートに入るのかという実験をした。
そうすると、自領コート上に、”飛行曲線の頂点”を作った時にはどんな打球でも完璧に入っていくことが
わかった。
・中国卓球の根幹は「確率の卓球」。回転をかけてフルスイングして、90%以上コートに入れる多球練習もある
日本が今、中国から学ぶとしたら、「打つボールがコートに入る確率を高める」ことだろう。
そのためには、まずあなた自身のミスを分析し、試合でのオーバーミスを減らすために、練習の時から
ボールに回転をかけることを意識すること。その練習の積み重ねが、試合であなたを勝利に導いてくれる
だろう。