卓球 「卓球戦術ノート」(4) 
         〜戦術の勉強〜
 NO.78 

2002.12.7作成

 今回も、卓球王国ブックスから出ている「卓球戦術ノート」(高島規郎著)という本で、戦術について勉強して

いきたいと思います。今回は、第4章 メンタルが支える戦術 から、ためになった部分をまとめておきました。


1.心理ゲームで「速攻戦術」を使う

 ・「後の先」の戦術と「心の速攻」のミックスで、世界選手権で優勝した河野満選手

   河野選手が世界で優勝した勝因のひとつは、ラリー戦の中での「後の先」戦術なのだが、心の中は常に
  攻める気迫が持続していた。これが「心の速攻」であり、その心構えを持つことで攻撃のタイミングを自在に
  操ることができたのだ。

 ・速攻という概念は、あらゆる戦型の人が自分のプレーの中で生かす戦術である

   卓球はボールを使った心理ゲームだ。その中で戦術として「速攻」を使う場合は、技術面での速攻だけでは
  なく、相手の心理につけ込んでいくような「速攻」を心がけることも大切だ。

2.ミスして気落ちするのか、積極的にいくのか

 ・「平常心」と「不動心」。精神面と、技術・戦術面を切り離して試合を戦おう

   精神的なダメージというのは技術と密接に関係している。ゆえに、メンタルとテクニックは切り離さなければ
  いけない。精神的に落ち込んでも技術と切り離されていれば、その技術を使って試合で勝つことはできる。
  逆に、技術面の調子が悪くてもメンタルがしっかりさえしていれば、調子悪いなりにも崩れることはなく、勝てる
  方法を見つけることができる。

 ・試合中の4つの禁句。「迷う」「疑う」「驚く」「恐れる」

   この4つの禁句をはねのけるために必要なのが「不動心」。どんな場面でも動揺しない冷静さを作り上げた
  うえで、技術と戦術で勝負することが一番重要である。

 ・ミスしても拍手を送るヨーロッパのポジティブな態度。一喜一憂しないことが大切だ

   「ミスしても大丈夫。次の1本で自分の最高のプレーをしよう」「ミスしても消極的にならない。積極的な気持ち
  を忘れない」と心に誓おう。
   そのためには、ふだんの練習でも試合と同じ緊張感でボールを打つことが大切だ。そこでは試合の詰めの
  段階で自分がするべき、「積極的なプレー」を心がけよう。

 3.初めての相手、やり慣れた相手

 ・初めての相手の情報を集める。そして1ゲーム目に全精力を傾ける

   相手を分析する方法を紹介しよう。@相手のサービスと3球目のコース。Aラリーになってからの打球コース
  の特徴。Bバックサイドをフォアでたくさん回る選手なのか、それともバックハンドを振ってくる選手なのか。
  C前陣でプレーするのか、中陣でプレーするのか。D台上はストップが多いのか、払ってくることが多いのか、
  というような情報を多くつかんでおくことが重要だ。

 (ケーススタディ)得点をする時は早めに、失点をする時は長いラリーにして相手の情報を引き出す

   まず、相手の技術の幅や長所、弱点を見抜いていくことが先決で、そのために1ゲーム目で自分の得意な
  技術は要所要所で出せばいい。得点する時は早めに得点して、失点する時は長いラリーにして相手の持って
  いる技術を引き出すようにする。

 ・事前の情報があるのだから、初めての対戦は格下の者が格上の者に勝つチャンスと思え

   初対面の対戦では、力が上の選手が有利とは一概に言えない。なぜなら、強い選手というのは誰もが知って
  いる選手だ。当然、対戦相手はその選手の情報を持っている。つまり、どこが強くて、どんなサービスを出して、
  どういう戦い方をするかという情報を事前に相手はわかっている。しかし、強い選手というのは弱い選手の情報
  を知らないことが多い。だから、初めての対戦の場合、(レベルが)下の選手が(レベルが)上の選手に勝つ
  可能性がある。つまり初めての対戦の時には、下の者が上に勝つチャンスだと思えばよい。

 (ケーススタディ)何回も対戦している相手には「新手」と「先手」でラリーの主導権を奪う

   お互いに手の内を知り尽くした相手は、情報が多すぎるためにやりにくい。その時には「新手」が必要。
  ふだんやらないことをやるとか、秘密の部分を本番の試合で出すことが勝つための条件だ。
   同士討ち、あるいはいつも当たる選手とやった時には、いかにラリーの主導権を握れるかで勝負の明暗が
  分かれる。いかに先手を取れるか。

4.逆転されやすい人、逆転する人

 ・慎重な試合運びとペースを保つことが、逆転されないための条件

   特に相手との実力が伯仲している場合には、試合の前半でリードしていたり、逆にリードされていたとしても、
  「必ず最後には接戦になるんだ、ゲームオールジュースまでもつれるんだ」という気持ちを心のどこかに置いて
  おかなければならない。そのようなしのぎ合いの中で、自分のペースに持ち込むチャンスが来るまで、あきらめ
  ないで耐えること。この我慢比べに勝ったほうが、最終的に勝利を手中にできるのだ。「ピンチとチャンスは
  常に背中合わせである」ということを決して忘れてはならない。

 ・ネットイン、エッジボールなどをあらかじめ計算に入れることでメンタルの崩れを防ぐ

   数々のハイレベルな大会で、信じられないような逆転劇が起きてしまうのはなぜなのか。そこには必ず、
  予測、計算の及ばない出来事がからんでいる。
   ネットイン、エッジボール、ファインプレーによる得点などがその例だ。このような予測不可能なポイントは、
  試合の流れを大きく左右する。

 (ケーススタディ)「勝った」という慢心や日頃の練習でのマイナス思考が逆転される原因になった時

   逆転負けのパターンでもっとも多いのが、「勝った」と思った瞬間に得点が取れなくなって負けるというもので
  ある。

5.ネットインサービスとラッキーポイント

 ・ネットインサービスは極力避けるべきだ。相手に情報を与え、作戦変更が必要になる

   試合の後半でサービスをネットインしてしまうと、自分の戦術の幅を狭くしてしまうことになる。それによって
  作戦変更を余儀なくされる。

 ・ネットインのサービスを観察し、相手にプレッシャーを与えていく

   ネットインしたサービスをじっと観察することは、サーバーへのプレッシャーにもなる。じっとサービスを見ること
  により、相手に対して心理的にプレッシャーをかけ、次に同じサービスが出しにくい雰囲気を作ることができる。

 ・ラッキーポイントのあとに積極的に攻めていく心理的な戦術

   ラッキーポイントを取ったあとほど、積極的に攻める気持ちを忘れないことが大切だ。逆に言えば、チャンス
  ボールをミスした選手はダメージが大きい。その精神的なショックから立ち直らない間に、たたみ掛けるような
  攻めで連続ポイントをあげていくやり方はとても重要な戦術と言える。

6.ネットインとエッジは計算のうち

 ・40mmボールでネットインは増え、11点制でその心理的な影響が大きくなった

   ネットインとエッジボール(カバー)を受けた時に、精神的にダメージを受ける選手がいる。しかし、試合の時に
  ネットインやエッジボールは必ずあるものだという考えを忘れてはいけない。

 ・落ち込まずに、気持ちを切り替えて前向きに考えていく

   どの局面でネットインやエッジボールがあるのかは、誰にもわからないことだ。予測しようと思ってもできない。
  しかし、心の準備だけはできるはずだ。それによって、何事にも動揺しない強靱なメンタルが作られていく。  

7.シード選手が負ける時

 ・まずは、自分のレベルに合わせた具体的な目標を立てる。それから、試合に臨む。

   トーナメント方式の大会に臨むにあたってまず大切なことは、自分が目標とする成績(ランク入り、ベスト4、
  優勝など)や、その試合に対する心構えを、はっきりと意識することである。それによって、試合運びの方法は
  自ずと変わってくる。

 ・シード選手が敗れる時―油断や消極的なプレーがメンタルを不安定にさせる

   シード選手が敗れる際、その心理面に共通するものに、受け身、すなわち消極的になるということがある。
  この原因はスタートにあることが多い。
   逆に、これをシード下に組み込まれた選手の立場から見てみると、序盤から積極的に「負けてもともと」ぐらい
  の気持ちで、リスクを省みない攻撃を仕掛けていけば、シード選手を受け身の状態に追い込むことができ、
  勝つチャンスが出てくると言える。

 ・シード選手の戦い方―格下の選手が相手の時は1ゲーム目を取るのが鉄則

   シード選手の場合、相手は自分の情報を持っていても、自分には相手の情報がわからないというケースが
  多い。こういった場合は、まず1ゲーム目を取るということが鉄則だ。とにかく、何が何でも1ゲーム目を取って
  自分のペースに持ち込むこと。そうしないと、何が起こるかわからない。あれよあれよという間に試合が
  終わってしまう。そこが卓球の恐ろしいところだ。

 ・相手のプラスαをつぶす。格下選手の荒々しさには自分も荒々しく立ち向かう

   格下の選手と試合をして競り合いになった時の戦い方は誰でもが難しい。そういう時は自分に荒々しさを
  出して積極的なプレーを心がけないと、その局面を乗り越えられない。

 (ケーススタディ)プレッシャーや油断に負けて自分を見失わないように明確な目標を立てよう

   トーナメント制の大会においては、メンタルのコントロールが非常に難しい。だから、その大会に臨む前に、
  自分の目指すべき目標を達成するために必要なプレーをイメージして、それを徹底し、余計なことは考えないと
  いうことが大切なのである。 

8.「迷うこと」「恐れること」「疑うこと」「驚くこと」

 ・試合の流れというのは心の揺れ動きではない。戦術と技術の問題に置き換えよう

   心を動かさない「不動心」を持とう。どんな状況でもいっさい動揺しないような、沈着冷静さを保つことが、選手
  にとっては大事なことだ。試合の流れを心の揺れ動きではなく、戦術と技術の問題に置き換えていくことに
  徹底しよう。

 ・指導者は、言葉の暴力で子どもを威圧していないだろうか

   ミスして罵声を浴びせ続けられると、ミスを恐れる選手になる。

 ・5本で負けたら、その5本をほめて、励ましてあげる

   欧米の指導者というのは、たとえば、選手が試合で5本で負けて帰ってきても、「あなたのあの5本の取り方が
  すばらしかった」とほめる。そして、「次のゲームもあの5本の取り方で頑張ればいい」と言って送り出してあげる
  から、選手は勇気を出して試合ができる。負けて帰ってきても、あと5本の取り方を頑張って練習すれば、
  何ヵ月かしたら勝てるようになると励ましてあげる。


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