将棋 第7期NSN名人戦組み合わせ 
             〜「自分の壁を破る人 破れない人」〜  
 NO.1297 

2005.2.27作成

 第7期NSN(日本将棋ネットワーク)名人戦の申し込みが2月20日までということで、仕事が忙しい中ですが、

あえて出場することにしました。将棋を指せない理由を、忙しいせいにしている自分を反省する意味で…。

先日、その組み合わせがホームページ(http://www.nsn.co.jp/)上に載りました。それによると、予選の相手は

次の通りになりました。

できるだけ時間を作って、対局していきたいと思います。

 最近、「自分の壁を破る人 破れない人」(渡部昇一著、三笠書房)という本を読みました。その本の「はじめに」

から、ためになった部分を少し紹介したいと思います。


○人生でいちばん大切なこと―「できない理由」を探すな

 何か「これは」と思うものをやろうとするとき、人は二つの壁にぶちあたる。
 それは、自分の能力的な壁と環境の壁である。能力的な壁とは、自分の問題、「内なる壁」と言っていいだろう。
自分の側の力不足であるから、これは自分次第でなんとでもなるものである。これに対して環境の壁は物理的な
壁であり「外なる壁」と言ってよい。今の時点ではどうにもならないこともあるから、とりあえずは時期を待つことに
すればいい。
 さて、私たちはこうした壁にぶつかると、それが自分の手に負えそうもないとき、たちまち無条件降伏し、やりたい
ことを「諦める理由」を探し始めるものである。その熱心さたるや驚くべきものである。それに賭ける情熱を
やりたいことに注げばどんなに人生は好転していくかと私は考えるのであるが、とにかく人は「できない理由」を
つけて挑戦することをやめるのである。べつにこの程度でいいやと変に納得してしまう。あとは何とも煮え切らない
人生が待っているだけであるというのに。
 私はこのことをよく鉄砲撃ちの名人の話にたとえる。名人に電線の上の鳥と地面にいる鳥とどちらが簡単に撃ち
落とせるかと聞いてみる。一見、地面にいる鳥のほうが撃つのはたやすそうである。しかし彼は、電線の上にいる
鳥も地面にいる鳥も、撃つには同じくらいの労力と技量が要ると言うのである。難しさとしては大差なく、むしろ電線
の上にいる鳥を撃つほうが、かえって楽かもしれない、ということである。
 つまり、一見難しそうな目標を持っても実はそこへの到達はそれほど困難というわけではなく、逆に簡単そうな道
も楽々行けるわけではないということだ。
 これは考えてみればわかる。平凡な人生、平凡なサラリーマンと言っても、会社では上司から、部下から、同僚
からそれ相当のプレッシャーを受け、取引先からはいろいろと苦情を持ち込まれ、家では家族の問題もあるに
ちがいない。リストラの心配もあるし、自分一人の身ではないから、しっかりした収入の口を確保しなくてはなら
ない。これはべつに楽でも何でもない、苦労の多い人生であろう。
 では、一見すぐには叶いそうにない大きな目標を持って生きていく人を考えてみる。乗り越えなければならない
ことはたくさんある。だが、その達成感たるや、平凡な生活を求めていろいろなことにこづき回される人生よりも
格段に大きいものではないか。むしろ自分が本当にやりたいことのための苦労であるから、このほうが生きがいが
あるし楽なのではないか。どっちみち苦労はするのであるから、ならば高い目標を持ったほうが得だというわけで
ある。
 私の身近な例で考えてみる。専門の英語学を学ぶのにはべつに国内にいてもできるわけである。しかしそこで
じかに本格的に勉強するため外国の大学へ行き、デグリー(学位)を取ろうと努力をする。これは金銭面一つを
とっても困難がつきまとう。だが、金銭面、勉強の辛さその他もろもろの悪条件を乗り切ることは、ただ平凡に国内
で勉強を続けるよりもはるかに自分のためになるし、その辛い経験は結局は自分の血や肉となる、こう考えるので
ある。
 物事を簡単に諦めるという傾向は最近の人によく見られることである。これはその人がこれまでに一つの事に
真剣に取り組んだことがあまりないために、自分にできることとできないことがわからず、必要以上に臆病になって
いるにすぎないのではないか。「できない理由」など探し始めたらきりがない。そこをグッと押さえて、やるための
意義を見つけていくことが人生の醍醐味なのである。

天から”助けのロープ”が自分のもとへ下りてくるとき

 さて、さきほど壁には能力的な壁と物理的な壁の二つがあり、物理的なものについては今の時点では傍観する
しかない、と述べた。しかし、面白いことに、能力的な壁を破れるように努力を続けていると、物理的な壁は
きわめて崩れやすくなるという法則のようなものがある。
 今はちょっと難しく、すぐに実現できずとも、「いつか必ず自分にはやれる」という気持ちを持って、「やるための
理由」を掲げて努力を絶やさない人には、天の一角から”助けのロープ”が下りてくるということもあるのである。
やりたくない、やれない理由を押さえて、あえてやってみれば何とかなるということを信じられるかどうかは、その人
の覚悟次第であるが、この覚悟によって世に言う「運命」も変え得るということを覚えておいてほしい。
 私の教え子に今アメリカで勉強している学生がいる。学生と言っても彼は三十歳を超えており、結婚して子供も
いる。アメリカに出かける前も同じような状態で、加えてお金もなかった。しかし彼はどうしても外国へ行って本格的
に勉強したいと考え、アメリカの一流大学に留学することを決意した。
 彼は実に真面目に努力をしていたところ、まさに天から”ロープ”が下りてきて、経済的に多少の援助をしてくれる
人が現われた。ついでにその勉強ぶりが担当教授の目にも留まり、修士課程二年を縮めるため、夏休みに
奨学金を取って夏期の大学のコースで単位を取るように勧められる。そうして彼は博士課程に進むと、今度は
授業料まで免除された。背水の陣の努力が実を結んだのである。
 彼の場合、結婚、子供、経済的困難、年齢と、どれ一つをとっても留学を諦める理由になる。しかしそれをあえて
やってみたからこそ、彼は幸運をつかみとることができたのである。
 人生でいちばん大事なことは何か、一つあげよと問われたら、私は躊躇なく「できない(やらない)理由を探すな」
、と言いたい。…


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