| 将棋 こうすれば必ず強くなる 〜「近代将棋」創刊号より〜 |
NO.1335 |
2006.1.31作成
「近代将棋」の付録に、昔の近代将棋創刊号が付いていました。昭和25年に、こんな本が書かれていたとは
驚きです。その本の中に、当時のプロ棋士による「こうすれば必ず強くなる」という興味のある特集があったので、
少し紹介したいと思います。
☆特集☆ こうすれば必ず強くなる ―諸大家の寸言録―
上達に必要なこと 名人 木村義雄
要約すれば「定跡の学習」「実戦の錬磨」「研究と工夫」でしょうが、王手飛車取りをかけられた時でも、がまん
して「待った」をしないことも大事だと思います。
待ったをするな 七段 金高清吉
待った、待ったをしている中に知らず知らずに癖になって終うことは有り勝ちで、これではあまりに勝敗に
こだわり過ぎていると思われます。小生はこれが一番上達をはばむのではないかと思っています。
何事も眞面目に 八段 松田辰雄
1.先づ基本的上達法としてあらゆる将棋(雑誌・新聞)に目を通し、しかる後実戦に応用する。
2.勝敗に拘泥せず不撓不屈の精神をもって右項目を真摯に実行する事。
敗因を検討せよ 前名人 塚田正夫
一局を真剣にさすこと。
負けたら敗因を検討すること。
読む習慣ををつけよ 八段 村上眞一
一.対局は正座する事。二.二手先が読める人は四手先を読むようにする。五手先が読める人は七手先を読む
習慣をつける事。手を下す時に良く考えてさしたらいかなる悪手でも待ったしない事が上達の早道と思います。
序盤が大事 八段 小泉雅信
序盤の駒組を間違いない様に。いわゆるさし方の研究。将棋は初めの出方が第一で私どもでもそうです。弱い
人も初めにうまくさせると知らず知らず良い将棋が出来るものです。初めを知らなければ将棋は強くなりません。
先づ手筋を覚えよ 七段 山川次彦
将棋の上達法としては定跡のウノミは駄目です。それより将棋の術語と手筋を覚えなさいと申し上げる。しかし
その術語と手筋の関連性について書いた著述はないからこれからの私達棋士の課題でもあります。
調べを入念に 八段 大山康晴
しろうとの方の将棋を見ているとまるで材木運搬業の如く駒をやたらに動かしているようであるが、上達の近道は
一局一時間位かかって、さし終ってからその局を並べ直して研究されるのがよいと思う。なおマッタは絶対
いけません。
指導を受けよ 八段 建部和歌夫
将棋をさす人の中には、たださせばよいという人があるが、それでは強くならない。本も読みたくない、先生にも
つきたくないではいつまでやってもだめで、反対に本を読みたい、先生につきたいという風になればきっと強く
なる。その人は既に将棋の芽が新しくふき出した人だからである。
上達の根本的態度 七段 京須行男
これは将棋にのみ限ったことではないが根本的態度は一.一生懸命にさす事、二.疑問の所はただす事、三.
ただした所はまた実戦に用いる事。
強くなる心得 八段 原田泰夫
覚えたての頃
駒組を覚えること。誰でも構わず実戦を多くすること。
三十級に昇ったら
指手の意味を考えること。負かされるのをいやがらずに強い人とさすこと。
二十級に昇ったら
駒を捨てることを覚えること。棋書、棋欄を読み、先生に教われば一番よい。
情熱を傾けよ 六段 市川一郎
常に将棋に親しむべし。もっと強く言えば将棋に情熱を傾けよとでも申しましょうか。敗け将棋を調べるのも良し
詰将棋を研究するも良し。要は将棋から離れぬように心掛けるなら何人でも上達進歩は疑いありません。
将棋上達について 六段 山中和正
一.定跡を学ぶこと(いろいろの雑誌や著書にて)
二.新聞棋戦等実戦高段将棋の研究
三.実戦の場かずをふむこと(特に自分より上手とさすこと)
四.以上をへて専門家をうく右は三年間に二十級より初段へ必然なり
将棋に親しめ 八段 梶一郎
まず将棋に親しみ、一局ごとに一手でも覚えるように心がけ折りあらば本を見たり先輩の意見を聞いたりする。
強い人は皆将棋が好きで、ある暇はもちろん、ない暇までつぶして、オヤジや奥さんにしかられながら努力もした
に違いなく、素人はこの肝腎な暇と努力が思うようにいかない。だから余り慾張って強くなろうと思いなさるな。
しかしボツボツでも強くなりおもしろくなってもらえればと願うのである。
手筋の實戦應用 七段 山本武雄
将棋の上達を望むには定跡、手筋の基礎知識を覚え、これを実戦に調和させる。まず、これが大切で次には
一番さしたらさしただけのものを得る。つまり敗因を知るとか、どうして勝ったか、そういった点の検討に心掛ける。
それには余り早ざしではその余裕がありません。ある程度の時間をかけることが必要です。