将棋 「直感力」
       〜羽生棋士の直感力〜
 NO.1400 

2006.7.7作成

 インターネットのAmazonで、「イチロー頭脳」の著者である児玉光雄さんの「直感力」という本を見つけました。

その中に、「羽生棋士の直感力」という部分があったので紹介したいと思います。


羽生棋士の直感力

 脳波にはα(アルファ)波とか、θ(シータ)波というものがありますが、これは非常に直感力の出やすい状態
です。
 私が親しくさせていただいている日本における脳波分析の第一人者・日本医科大学の河野貴美子先生は、
将棋の羽生善治棋士をはじめ、多くの棋士やスポーツマンの脳波を測定、分析しつづけている方です。
 河野先生の分析によると、対局中の羽生さんの脳波はたいていα波になっているそうです。無意識のうちに
ひらめきが出やすい状況になっています。
 α波が出ている間は右脳が活性化するものですが、羽生さんは時々左脳にスイッチが入ります。このときの脳
は、直感力が発揮されやすい状態です。
 こうした直感で将棋をうつ場合、脳波を見ると、90パーセント右脳が働いています。
 また、時々左脳が働くのは、自分の手が正しかったのかどうかを左脳でチェックしているのです。つまり検証する
ときに、左脳にスイッチが入るわけです。

 このように、直感を時々左脳で分析するということも非常に大事です。いわば、左脳は補正の役目を果たして
いるわけです。
 大きな誤りをしていないかどうか、左脳でチェックしているというわけです。
 突飛すぎて意味がないのではないか、妙にかけ離れたものではないか、常に検証しながら直感を使っている
のです。
 たとえばいくつかの選択肢があるとき、どれを選ぶか…という作業は左脳がしているということです。

 将棋では「長考」といって、次の一手を数十分も考えることがよくあります。これはひらめき…すなわち直感が
湧き上がってくるのを待っているわけです。
 もちろん、定石の知識で対局を進めていくということもありますが、ひらめき、直感を求めるからこそ、長い時間
ただ待つわけです。
 将棋や囲碁には時間制限がありますから、時間内に次の一手を打たなくてはいけません。この時、数ある
選択肢の中から、適切な手のひとつをパッと選ぶわけですが、羽生さんはたいていの場合、「この選択は正しい」
と瞬間的に感じるそうです。「それをミスしたときは、負けるときだ」と。
 羽生さんの場合、将棋のルール、定石などは小さい頃から勉強して、左脳に溜め込んでいるわけです。
 しかし、その情報だけで将棋を指しているかというと、全然そんなことはありません。そこから自分の
オリジナリティを創造して、直感が湧き上がってくるのを待ち、ひらめきで指している、というわけです。
 なぜその一手を選択したかについては、直感としか言いようがないのです。それが何かは言葉では表現できない
けれども、なぜか当たるのだと。

 また羽生さんは、「経験がないときの直感は当たらなかったが、経験を積んでくると、何だか分からないが、
当たるようになった」と言っています。
 やはり経験というものの積み重ねによって、直感の精度が高くなってきているのは、間違いありません。 


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