| 将棋 『「集中力」を「仕事力」に活かす!』 〜アクセス12万達成〜 |
NO.1501 |
2007.9.23作成
この将棋と卓球と数学の部屋も、ようやくアクセスが120000件達成しました。数えると、9年と8ヶ月。もう少しで、丸10年になるんですね。
塵も積もれば何とやらで、たくさんのページができ上がりました。もう少し頑張ってみようと思っています。
さて、インターネットのAmazonで、『イチローやタイガーの「集中力」を「仕事力」に活かす!』(児玉光雄著)という本を購入しました。その中に、
谷川浩司九段のことが書かれていましたので、その部分を少しだけ紹介したいと思います。
「集中力は途切れるもの」と認識する
2000年の全米プロゴルフ選手権で、ジャック・ニクラウスはタイガー・ウッズと一緒にラウンドする機会を持った。ラウンド後、ウッズの印象に
ついて聞かれたニクラウスはこう語っている。
「ショットが自分の意図したところをそれたとき、彼は2秒間だけ腹を立て、すぐにまた次に集中する。私も以前はそうだった」
集中力を長時間持続させることは、それほど簡単なことではない。ただし意識的に腹を立てたり、気分転換をすることによって、意外に集中力は
持続する。大事なときに集中力が途切れたら致命傷になりかねない。だからチャンピオンは意図的に集中力を途切れさせて気分をリフレッシュする
心理テクニックを身につけている。
将棋の谷川浩司棋士は集中力をコントロールする名人である。彼はプロ棋士としてすでに1400回以上の対局を経験しているが、対局中、気の
緩みは避けられないものであることをよく知っている。
並みの棋士は集中力を持続させることにだけ意識を払う。だから常に「集中力が途切れてはならない」という焦りがある。「集中力が途切れること
を認めようとしない」弱さがそこにある。
ところが、谷川さんはそうではない。「人間にとって気のゆるみは避けられない」というところからスタートする。そこに集中力を持続させるヒントが
隠されている。
実は谷川さんには、どうしても忘れることのできない対局がある。それは平成4年の竜王戦の第4戦。相手は羽生善治棋士。
当時谷川さんは竜王位を含めて三冠を保持していた。羽生さんは王座と王位のタイトルを持っており、羽生さんがこのタイトルを奪うとタイトル数が
逆転するという大事な対局であった。
第3局まで谷川さんが2勝1敗とリード。勝てば王手がかかる大切な一番である。この勝負も序盤から谷川さんが優位を守り、9分9厘勝利をもの
にしていた。羽生さんも形作り(プロが投了図をきれいにするための準備)を始めていたほどである。
控室の検討でも圧倒的に谷川さんの優位と読んでいた。ところが、わずか一手の指し違いが流れを変え、羽生さんに大逆転されてしまったのだ。
谷川さんにとって悔やんでも悔やみきれない一局になってしまった。そのときのことを振り返って谷川さんはこう語っている。
「必要以上に羽生さんを恐れ、勝ち急いだため、ほっとして『勝った!』と思った瞬間に自分の足を踏んで転んでしまったのである」(『集中力』角川
書店刊より)
ミスが恐ろしいのは、そのミスによって相手が優勢になることだけに止まらない。たとえばそのときの勢いが60対40で自分に有利なときに小さな
ミスをして、勢いが55対45になったとしよう。まだ自分のほうが有利なのにもかかわらず、
「しまった。ミスをしたから相手に追いつかれる」という焦りが命取りになる。小さなミスにもかかわらずそれが心の余裕を失わせ、新たにミスを
呼ぶ。結局ズルズルと相手のペースに引き込まれてしまい、敗北を喫してしまう。
大きなミスは身構えているから、よほどのことがない限り、回避することができる。問題は小さなミスである。「転ぶのは階段の大きな段差ではなく、
わずか数センチの見落としやすい段差」なのだ。小さい段差ほどつまづきやすいのである。
まず「集中とは途切れるもの」だという認識をもつことから始めよう。その上で自分なりの気持を切り替えて仕切り直しをするやり方を身につければ
よい。
小さなミスが命取りになることもあることを肝に銘じて、タイガー・ウッズのように、「2秒間だけ腹を立てて、素早く次の集中モードに移行する」こと
こそ、集中力を持続させる貴重なテクニックとなる。