将棋 「ボナンザVS勝負脳」@
          〜最強将棋ソフトは人間を超えるか〜
 NO.1502 

2007.9.24作成

 もう6ヶ月もたつようですが、ボナンザと渡辺竜王との対局、なかなかおもしろかったですね。先日、インターネットのAmazonで、

「ボナンザVS勝負脳 ―最強将棋ソフトは人間を超えるか」(保木邦仁、渡辺明著)という本を見つけ、早速購入しました。機械の思考と人間の読み

の違いなど、興味ある内容がたくさん書かれていました。まずは、この本の「はじめに」から、少し紹介したいと思います。


 そもそも私は、ボナンザが渡辺竜王に勝てるとは思っていなかった。ただ、みっともない試合だけはしたくなかった。立派な棋譜を残したいと思って
いた。

 2007年3月21日、コンピュータ将棋プログラム『ボナンザ』が渡辺明竜王と平手一番勝負で公開対局を行い、話題を集めた。結果は予想に
違わず、渡辺竜王が2時間の持ち時間のうち49分を残して、ボナンザを下した。
 立派な棋譜を残す。どうやらその目的を達することはできたようだ。中盤までは、ボナンザが竜王をリードする場面もあった。渡辺竜王に汗を
かかせることもできた。その誘いをいなす場面すらあった。
 ただ、あろうことか私は、途中で正確に戦局を読むことができなかった。今、どちらが優勢なのかも定かにはわからなかった。ただ、ボナンザの
選んだ指し手を伝えていただけだ。最後に投了を宣言したのは私だが、ほとんど傍観者にすぎなかった。私は、パソコンの画面と、渡辺竜王の顔色
ばかりを見ていた。それが、掛け替えのない体験であった。
 そんな私に、渡辺竜王と共著で本を書いてみないかという誘いだ。なぜ、そしてどのようにしてボナンザを開発したのか。ボナンザは、他の将棋
プログラムとどこが違うのか。私は何を求め、何をしようとしたのか。そうしたことを書いてみてほしいと依頼された。
 私は全幅探索というコンピュータチェスでポピュラーな探索手法を採用し、ミニマックス法による探索アルゴリズムをプログラミングした。そして、
その探索範囲を大幅に軽減するためのいくつかの枝刈り手法をボナンザに組み込んだ。過去の対局から主に6万局の棋譜を選びインプットし、
機械学習の手法でその指し手と思考プログラムの指し手の一致率を反映するように設計した。
 こうした方法論は、私にとって非常に納得感の高いものであったが、おもしろいことに、一般的には特異な方法論であったようだ。
 ボナンザは、決して最強のコンピュータ将棋プログラムではない。ただ、将棋の素人であっても組むことのできる、最強グループの将棋プログラム
の1つであることは間違いないようだ。そこが、最も大事な点だと思っている。
 多くの人々は、ボナンザを人工知能と呼ぶ。対局を観戦して、ボナンザが「躊躇った」とか、「焦った」「その気になった」などと表現する人もいた。
しかし、そのように見える思考過程は、すべて数式の結果にすぎない。申し訳ないが、そこには感情が芽生える要素などはない。では、ボナンザは
一体、何をどのように考え、指し手を選んでいるのか。そうした点について、私なりの解説を試みてみようと思う。
(以下略)


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