| 将棋 「二勝一敗の人生哲学」 〜最後に勝つための条件〜 |
NO.715 |
2001.11.27作成
前回の渡辺四段との指導対局で、平手で2勝2敗と2敗目を喫し、五段推薦はまたもや、お預けになりました。
プロ相手に平手で3連勝もしくは4勝1敗するなんて、所詮無理な話。少し本気を出されたら、1勝すらできないほど
の実力の差があります。でも、あきらめずに挑戦し続けたいと思います。最初から3連勝を狙うのではなく、地道に
指し続けていけば、最後にはまぐれで達成できるかもしれませんから。
プロ野球の監督である森祇晶さんの「二勝一敗の人生哲学」〜最後に勝つための条件〜という本より、その
まえがきを紹介したいと思います。本文の詳しい内容は、文庫本になっていますので買って読んでみて下さい。
今年もまた、熱い男たちの戦いが始まった。プロ野球は勝つために長いペナントレースを戦うのである。最後の
戦いが終わるとき、相手より半歩でも前に出ていることを目指して、熾烈な戦いを繰り広げる。横一線に並んで
スタートを切るこの時期、戦う男たちは心地よい緊張感に包まれているはずだ。目指すのは優勝の二文字。
もてる技術のすべて、もてる智力のすべては、最後に相手より半歩でも先んずるために使われる。それが勝つと
いうことである。行き当たりばったりでは、勝利はおぼつかない。
私は、「勝ち」は計算により割り出すものだと思っている。最後に、相手よりわずかでも勝率が上回ることを前提
において、逆算的に今の戦いを組み立てる。勝利に対する飽くなき情熱は、冷徹な計算が土台になければ、ただ
の夢やあこがれになってしまう。
それは、「勝ちを読む」ということである。繰り返すが、最後に勝てればいい。勝率が、二位のチームより一厘でも
上回っていればいいのである。
そのためにどうすればいいのか。私なら二つのことを基本にする。
ひとつは、守りに主体を置くということだ。攻撃面は計算しづらいところがある。「この場面でホームランが出て
くれれば勝てる」と思っても、そう都合よくホームランが出るわけではない。
しかし、相手に得点を与えない守りなら、ある程度計算ができる。1対0で勝とうが10対0で勝とうが勝ちは勝ち
だ。相手に大差をつけて勝つことなどは、とても計算できない。だが、相手に競り勝つ、僅差を守り切ることなら
計算可能だ。
もうひとつの基本は、勝ち負けにメリハリをつけるということだ。勝てそうな戦いは、確実にとる。しかし勝てそうも
ない戦いは無理をしない。勝ったり負けたりを繰り返して、最後に勝ちが負けを上回っていればいい。いや、上回る
ようにあらかじめ計算をしておいて、目先の負けにこだわらない。
三連敗したら、「四連勝で取り返せ」と檄を飛ばすより、「二勝一敗のペースにもっていこう」と考える。これだって
六割六分ペース。このペースを維持すれば、三連敗のダメージも、十分に取り戻せる。
これが私の野球観の基本であり、もしかしたら人生観の基本になっていることでもある。人生も、勝ったり負けた
りを繰り返しながら、最後にほんの少し勝ちが負けを上回ったかな、と自分で思えればそれでいいのではないか。
できもしない高望みを声高に吹聴して、あれもうまくいかない、これも失敗したと挫折を募らせるより、たとえ
小さなことでも、確実にできることを着実に積み上げていくほうが性に合っている。…